MOVIE2025.11.19

デイヴィッド・リンチが遺した“最後の悪夢”が蘇る!生前の本人監修『インランド・エンパイア 4K』2026年公開

インランド・エンパイア 4K

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2025年1月15日、78歳で生涯を閉じた映画監督デイヴィッド・リンチ。1976年のデビュー作『イレイザーヘッド』以降、“カルトの帝王”として、世界中の映画人と観客を魅了し続けた巨匠。長編映画はわずか10本。その最後を飾る2006年製作の『インランド・エンパイア』が、リンチ自身の監修によって4Kリマスター化され、『インランド・エンパイア 4K』として2026年1月9日(金)より公開される。この度、予告編とティザービジュアルが解禁となった。

本作は、監督・脚本から撮影・音楽・編集に至るまでリンチ自らが手掛けた、最も濃密な一作。ローラ・ダーン演じる、映画への主演が決まった女優を主人公に、現実と映画の境界が次第に曖昧になっていく悪夢のような不条理劇を描く。その蟲惑的な難解さに満ちた内容に、本人が残した言葉はただ一つ——“about a woman in trouble”(トラブルに陥った女の話)。謎が謎を呼ぶ物語は、公開当時から賛否を巻き起こし、いまもなお伝説として語り継がれる。

制作の発端は、近所に越してきたローラ・ダーンとリンチの偶然の再会から。リンチは彼女のために14項のモノローグ脚本を用意し、全体の脚本を完成させないまま、各撮影現場で思いついたシーンをその都度、撮影を行った。撮影中に浮かんだアイデアを次に撮る——その繰り返しによって、リンチ自身も完成形がどのようになるのか分からなかったと語っている。また、本編はすべてSONY PD-150(デジタルビデオカメラ)で撮影されたことでも知られ、日本の女優・裕木奈江も出演していることでも話題となった。そして2026年1月——リンチ没後1年、初公開から20年。二つの節目が重なるそのとき、衝撃の傑作が4K映像で甦る。

予告編では、ローラ・ダーン演じる女優・ニッキーが、次第に精神的な追い込みと混迷の中へと沈んでいく姿が印象的に描かれる。ティザービジュアルは、4K版公開に際して本国で制作され、リンチが生前最後に承認したビジュアルを踏襲したもの。本作の舞台であるロサンゼルスの暗闇の中に浮かび上がるローラ・ダーンの表情を中心に据えた、強烈でミステリアスなデザインとなっている。

『インランド・エンパイア 4K』は2026年1月9日(金)より全国ロードショー

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