STREAMING2025.02.07

北野武「暴力映画におけるお笑い」 今の時代に切り込んだ“危険な作品”『Broken Rage』が映画の概念を覆す

世界中で賞賛を浴び続けている北野武が監督・脚本・主演を務め、「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作されたAmazon Original映画『Broken Rage』。

Broken Rage

本作は、世界中で賞賛を浴び続けている北野武が監督・脚本・主演を務め、「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作。日本の配信映画として初めて「ベネチア国際映画祭」に正式出品され高い評価を受けた本作は、北野監督が映画の常識を覆すべく手掛けた衝撃作となっている。

約60分の本作の前半では、警察に捕われた“凄腕”殺し屋・ねずみ(ビートたけし)が、釈放を条件に刑事・井上(浅野忠信)と福田(大森南朋)と手を組み、覆面捜査官として裏社会に潜入する骨太のクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語がセルフパロディという手法を使ってコメディタッチで描かれる。

これまでの映画の概念を覆す本作について北野監督は、「パロディ映画を作る時は、基本的にみんながよく知っている映画が元にならないといけない。でも、それだと自分の作品にならないので、たたき台となる作品から自分で作ってみた。すごい冒険的で、とても苦労したけど、実験映画だと思って楽しんだから今は『まあいいか』って思っている」と、長年のキャリアを持つ北野にとっても新たな試みであることを明かしている。

Broken Rage

「第82回ゴールデングローブ賞」で助演男優賞を『SHOGUN 将軍』(24)で受賞した浅野は、「現場に行くと何が正解か分からないような状態だったし、現場で新しい空気が生まれるんです。それが面白いと同時に恐怖でした」と挑戦的な本作ならではの緊張感を明かしながらも、「常に新しいことにチャレンジされている監督の姿を見ると俳優として学ぶことが多かったです」と北野監督への敬意を表した。

『Dolls(ドールズ)』(02)、『アキレスと亀』(08)、『アウトレイジ 最終章』(17)、『首』(23)に続き5度目の北野作品への出演となり、浅野と共に体当たりの演技で監督の演出に応えた大森は、「現場での緊張感が他の現場と比べて全然違う。特にこの作品では“お笑い”的な要素を担ったので、それに対する緊張感を浅野君と共に日々感じていました」と、<暴力>と<笑い>が入り混じる衝撃作となった本作の撮影の裏側を告白。さらに、「生意気ながらも『武さんにもちょっと笑ってほしい』という気持ちで撮影に挑んだんですけど、なかなか出来なくて苦労しました」と語った。

『首』(23)に続き、北野作品への出演を果たした中村は、「予想外の展開が起きたシーンも北野監督が『面白いからいいか』って演出を変えるので、現場でハプニングが起きても演技をやめちゃいけない。北野監督もどういうアドリブを入れてくるのか分からないので、いつでもアドリブに対応できるように自分で考えておかなければいけなかったです。本当に今の時代に切り込んでいったある種危険な作品です」とこれまでにない撮影の様子を振り返った。

『Broken Rage』は2月14日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信

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