MOVIE2025.06.16

「完璧な1作」と絶賛!“カンヌ国際映画祭グランプリ受賞”注目のインド映画『私たちが光と想うすべて』

インド映画史上初「第77回カンヌ国際映画祭」グランプリを受賞したほか、100を超える世界の映画祭・映画賞にノミネート、25以上の賞を獲得。「夜のムンバイを背景にした孤独なロマンスを、これほど美しくとらえた映画は初めてだ(Variety)」「心を奪われない人はいないはず(BBC)」「完璧な1作(Les Inrockuptibles)」と絶賛が続出し、初長編劇映画にして70か国以上での公開が決定した、新鋭パヤル・カパーリヤー監督による映画『私たちが光と想うすべて』が7月25日(金)より公開される。

インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。二人はルームメイトとして一緒に暮らしているが、職場と自宅を往復するだけの真面目なプラバと、何事も楽しみたい陽気なアヌの間には少し心の距離があった。プラバは親が決めた相手と結婚したが、ドイツで仕事を見つけた夫から、もうずっと音沙汰がない。アヌには密かに付き合うイスラム教徒の恋人がいるが、親に知られたら大反対されることはわかっていた。そんな中、病院の食堂に勤めるパルヴァティが、高層ビル建築のために立ち退きを迫られ、故郷の海辺の村へ帰ることになる。揺れる想いを抱えたプラバとアヌは、一人で生きていくというパルヴァティを村まで見送る旅に出る。神秘的な森や洞窟のある別世界のような村で、二人はそれぞれの人生を変えようと決意させる、ある出来事に遭遇する——。

本予告は、同僚のルームメイトのプラバとアヌが住む部屋に“差出人のない”プレゼントが届くシーンから始まる。送り主は、ドイツで仕事を見つけたあと、全く音沙汰が無いプラバの夫のようだ。「最後に電話したのは?」「1年以上前かしら」—プラバは<冷たい炊飯器>を一人の夜に、黙って抱きしめることしかできない。一方アヌも「見知らぬ人と結婚できるもの?」「私には無理」—奔放に恋愛を楽しみながらも、親から届くお見合い写真と周囲からの評判の間で葛藤。文化、宗教、階級、性別、数えきれない現実の壁にとらわれてままならない人生。「運命から逃れられない」「幻想を信じないと気が変になる」そう呟きながらも、それでも必死に前を向き、ありのままに生きていこうとする二人。「人知れず私がどこかに消えても、誰も気づきやしない」「私たちがいるわ」—優しさに満ちた言葉と二人の心象を奏でるような音楽が多種多様に溢れる光と美しい色彩に包まれ、捉えられた映像となっている。

インド映画として30年振りに「第77回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門入りを果たした本作。パルム・ドールを受賞し、その後アカデミー賞作品賞を受賞した『ANORA アノーラ』や、『エミリア・ペレス』『サブスタンス』など、その年の注目作品となる強豪作品が多数出品された中、インド映画史上初のグランプリを獲得したほか、ゴールデン・グローブ賞など100以上の映画祭・映画賞にノミネートされ25以上の賞を受賞、オバマ元大統領の2024年のベスト10にも選ばれ、70カ国以上での上映が決定するなど、世界中から高評価を獲得。

私たちが光と想うすべて

©︎ PETIT CHAOS – CHALK & CHEESE FILMS – BALDR FILM – LES FILMS FAUVES – ARTE FRANCE CINÉMA – 2024

私たちが光と想うすべて

©︎ PETIT CHAOS – CHALK & CHEESE FILMS – BALDR FILM – LES FILMS FAUVES – ARTE FRANCE CINÉMA – 2024

本作の監督を務めたムンバイ生まれの新鋭カパーリヤーが、最初にその稀有なる感性を世界に見つけられたのは、初の長編ドキュメンタリー映画『何も知らない夜』。2021年の「カンヌ国際映画祭」監督週間でベスト・ドキュメンタリー賞に当たるゴールデンアイ賞、2023年の「山形国際ドキュメンタリー映画祭」インターナショナル・コンペティション部門でロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)を受賞。鋭く政治的でありながら美しく詩的なハイブリッド作品と高評価を受け、ドキュメンタリーというジャンルの可能性を広げ、初の長編劇映画となった本作で、見事「カンヌ国際映画祭」グランプリを獲得した。

光に満ちたやさしく淡い映像美、洗練されたサウンド、そして夢のように詩的で幻想的な世界観を紡ぎ出し、これまでのインド映画のイメージを一新、「ウォン・カーウァイを彷彿とさせる」と評判を呼び、シャーロット・ウェルズ監督(『aftersun/アフターサン』)、セリーヌ・ソン監督(『パスト ライブス/再会』)など、30代の若手女性監督たちの作品が世界の映画祭で脚光を浴びる中、現在39歳のパヤル・カパーリヤー監督もまた、世界中から新たな才能として注目を集めている。

タイトルが示す通り、全編にわたって、多種多様な光がスクリーンから零れ落ちる本作。繫華街のネオン、スマートフォンのライト、朝の太陽と夕陽、海の水面、そして彼女たちの瞳の輝きと心に灯された希望——世界中に光を届ける新たな傑作が誕生。

私たちが光と想うすべて

©︎ PETIT CHAOS – CHALK & CHEESE FILMS – BALDR FILM – LES FILMS FAUVES – ARTE FRANCE CINÉMA – 2024

『私たちが光と想うすべて』は7月25日(金)より全国ロードショー

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