CULTURE丨2025.10.07
興収45億円突破!大ヒット中の「チェンソーマン レゼ篇」に続き、藤本タツキ原作の注目作『藤本タツキ17-26』

©藤本タツキ/集英社・「藤本タツキ 17-26」製作委員会
『チェンソーマン』『ルックバック』の漫画家・藤本タツキが、17歳から26歳の間に描いた短編8作品をアニメ化。アニメ『藤本タツキ17-26』が、10月17日(金)より2週間限定上映、11月8日(土)よりPrime Videoで世界独占配信される。
10月5日(現地時間)にロサンゼルスで開催された<グローバルステージハリウッド映画祭 2025>にて、本作のワールドプレミアが開催された。このたび、本イベントに登壇した、「庭には二羽ニワトリがいた。」の長屋誠志郎監督、「恋は盲目」の武内宣之監督のコメントと、熱気あふれるオフィシャルレポートが到着した。
9月3日(水)に公開された予告編は130万回再生を超えており、解禁時はYahooトレンド1位を獲得した『藤本タツキ17-26』は、9月19日(金)より公開され、現在興行収入35億円超えのヒットを記録している映画『チェンソーマン レゼ篇』に続き、藤本タツキ原作のアニメ化として注目が集まっている。
『藤本タツキ17-26』とは?
藤本タツキが17歳から26歳の間に描いた読み切り作品を収録した「藤本タツキ短編集 17-21」「藤本タツキ短編集 22-26」。この2冊に収められた全8作品をアニメ化。人類が滅亡した世界で生き残った2人の絆を描く「庭には二羽ニワトリがいた。」をはじめ、思春期の衝動がさく裂する「佐々木くんが銃弾止めた」、恋心が宇宙規模で暴走するSFラブコメ「恋は盲目」、ネジの外れた殺し屋少女の暴走愛「シカク」、海中のピアノが奏でる少年と人魚の恋「人魚ラプソディ」、ジェンダーの枠を超えて“自分らしさ”を見つける「目が覚めたら女の子になっていた病」、過酷な宿命を背負った兄妹の再生の物語「予言のナユタ」、絵に懸ける姉妹の嫉妬や葛藤、そして成長を描く「妹の姉」といった様々なストーリーが味わえる。
本作のアニメ化にあたり、TVアニメ「ブルーロック」の渡邉徹明、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の武内宣之、TVアニメ「魔法使いの嫁 SEASON2」の寺澤和晃など7名の監督と、ZEXCS、ラパントラック、GRAPH77、100studio、スタジオカフカ、P.A.WORKSといった6つのスタジオが参加。ボイスキャストには、小野賢章、堀江瞬、花澤香菜、杉田智和といった豪華声優陣のほか、クズ芸人として話題の岡野陽一が参加するなど、多彩な才能が集結した。
10月3日~10月5日(現地時間)にハリウッドの名門チャイニーズシアターで開催された<グローバルステージハリウッド映画祭2025>にて、『藤本タツキ 17-26』のワールドプレミアが開催された。『庭には二羽ニワトリがいた。』の長屋誠志郎監督、『恋は盲目』の武内宣之監督、そして本作の企画・プロデュースを務めるエイベックス・アニメーションレーベルズの大山良が本プレミアに参加。
世界で初めて本編が上映される機会ということもあり、藤本タツキ作品のグッズに身を包んだり、原作を片手に来場したファンが会場に殺到。立ち見客も溢れる会場内で大きな拍手に包まれる中、長屋監督が「ワールドプレミアに来てくれているということはアメリカの中でも一番の“藤本タツキファン”だと思うので、皆さんの前で上映できることを緊張しつつも、とても嬉しく思います」と語り、武内監督は「子どもの頃から『刑事コロンボ』が大好きで、このハリウッドのど真ん中でプレミア上映を迎えられることを本当に嬉しく思います」と現地のファンに喜びを伝えると会場はさらに盛り上がりを見せた。

グローバルステージハリウッド映画祭 2025
上映後には、長屋監督、武内監督、大山プロデューサーを迎えた特別トークセッションが行われた。セッションでは、藤本タツキの初期短編をアニメ化する上での制作上の課題や、藤本作品特有の作風を映像で表現するためのアプローチなど、貴重な舞台裏のエピソードが語られた。
まず、本作の制作経緯について尋ねられた大山プロデューサーは、「この作品を今回のワールドプレミアで、世界で初めて皆さんに見ていただき、本当に嬉しく、そしてホッとしています。『ルックバック』に続き、本作『藤本タツキ17-26』のアニメ企画が、こうして形にできたことをとても嬉しく思います」とコメント。原作の藤本タツキ先生に本企画を提案した当時について、「『初期の作品をアニメ化されるのは恥ずかしい』とおっしゃっていましたが、監督達には、面白いものを優先して、自由に作ってくださいというメッセージをいただきました」と振り返りました。また、「8本の作品のそれぞれの個性を、アニメのクリエイターの演出によってさらに際立たせていこうと考えました」と、企画の意図を明かした。
原作漫画について尋ねられると、長屋監督は「『チェンソーマン』を読んだ後に『庭には二羽ニワトリがいた。』に触れましたが、藤本タツキ先生が今よりも若い頃に描かれたにもかかわらず、共通するものを感じました。兄と妹の関係や“変身”といったモチーフがすでに現れていて、『チェンソーマン』へとつながっているのが面白いと思いました。私自身アニメーター出身なので、アニメーションでどうキャラクターを動かすかを一番こだわりたかった。宇宙人がいっぱい出てくる作品で、見た目は宇宙人なのに、そのほかは全部人間と一緒。振る舞いや行動が宇宙人を見ていると、自分たちなんじゃないかと思えてくるように、キャラクターを動かしたいと思って作っていました」と語った。

「庭には二羽ニワトリがいた。」
©藤本タツキ/集英社・「藤本タツキ 17-26」製作委員会
一方、武内監督は、「『恋は盲目』は、僕が参加を決めた時点で最後に残っていた作品でした。恥ずかしいと思いながらも、自分が恋をした時のことを想像しながら作品を作りました。主人公の伊吹に思い入れを100%入れて作画しました。誰も気が付かないと思いますが、告白する時に頬も赤くなるが、耳たぶも赤くなるところに一番こだわりました」と話す。
お互いの作品についての感想では、長屋監督が「『恋は盲目』は本作の中で最もコメディ色が強い作品。それが武内監督の演出で、その個性がさらに際立っている」と評し、武内監督は「『庭には二羽ニワトリがいた。』は、藤本タツキ先生の原作らしさを失わずに、日本のアニメーションらしい日常の風景を美しく切り取っているのが印象的でした」とコメント。

「恋は盲目」
©藤本タツキ/集英社・「藤本タツキ 17-26」製作委員会
作品全体を通して共感したテーマについて、大山プロデューサーは、「私は“ボーイ・ミーツ・ガール”の物語が好きなので、『恋は盲目』の告白に至るシーンにとても共感しました」と語り、武内監督も「主人公・伊吹のどこか一方的な心の伝え方に共感しました」とコメント。長屋監督は「藤本タツキ作品には常に“他者とのコミュニケーション”というテーマがあり、それは今の時代においてますます難しくなっているからこそ、大切なことだと感じます」と話していた。
最後に、大山プロデューサーは「本日は立ち見の人も出るくらい満席の会場で上映できたこと、そして藤本タツキ作品を応援してくださる皆さまに心から感謝します」と感謝を述べ、長屋監督は「今日皆さまが楽しんでいただいた様子を一緒に頑張ってくれたスタッフにも伝えたい」と語り、武内監督は「本日はご覧いただき本当にありがとうございました。日本では、10月17日から2週間限定公開されます。アメリカほか世界では11月8日からPrime Videoで世界独占配信されますので、ぜひもう一度楽しんでください」と締めくくった。
『藤本タツキ 17-26』は10月17日(金)より2週間限定上映/11月8日(土)よりPrime Videoにて世界独占配信開始