CREATIVE2026.05.03

アカデミー国際長編映画賞『関心領域』のジョナサン・グレイザーが描くショートフィルム「GENERATION GUCCI」

gucci

GUCCIが展開する「GENERATION GUCCI」キャンペーンの第2弾が公開された。新たな世代を体現する多彩な個性の集合体にフォーカスし、その存在そのものを主役に据えた内容となっている。

ディレクションを手がけたのは、映像作家のジョナサン・グレイザー。1965年ロンドン生まれの映画監督・脚本家で、舞台や映像制作の分野からキャリアをスタートさせ、ミュージックビデオや広告で頭角を現した人物だ。レディオヘッドやジャミロクワイなどの作品で革新的な映像表現を確立し、その後映画へと活動を広げていく。
長編デビュー作『セクシービースト』(2000年)で注目を集め、『バース』(2004年)、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013年)、『関心領域』(2023年)といった作品で評価を確立。『関心領域』ではカンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、アカデミー賞国際長編映画賞も獲得するなど、現代映画作家の中でも際立った存在感を放つ。その作風は、孤独や疎外、個の在り方といったテーマを軸に、観る者に強烈な余韻を残す映像美と実験的な演出で知られる。人物の内面や見えない感覚を可視化するようなアプローチは、今回のショートフィルムにも通底している。

ショートフィルムの舞台は満月の夜のモーテル。現実と幻想の境界が曖昧に溶け合う空間の中で、どこか非現実的でありながらも確かな温度を持つ世界が描かれる。映像にはマリアカルラ・ボスコーノやアレックス・コンサーニら複数の人物が登場。それぞれが互いを強く意識することなくすれ違いながら、モーテルという一時的な場所に身を置くことで、異なる人生が静かに交錯していく。やがて個々の軌道はゆるやかに重なり合い、見えないつながりを帯び始める。
彼らの進む先を照らすのは、絶えず移ろうスポットライト。明確な輪郭を持たないながらも抗いがたい引力を放つ何かに導かれるように、人々は同じ方向へと歩みを進めていく。それは希望を感じさせながらも、まだ手の届かない場所にあるもの。目には見えずとも、彼らの内側で共有される感覚として確かに存在している。

やがて光が地平の彼方へと溶けていくとき、まだ見ぬ未来への好奇心が静かに残る。そのダイナミズムの中で、一人ひとりが独立した存在として輝きながらも、同時に共鳴し合うことで、「GENERATION GUCCI」という新たな世代像が形づくられていく。