REVIEWS丨2025.02.11
射殺前に一瞬見える“顔”、「生首」は入ってた? ラストシーンは違った… 衝撃のトラウマ映画『セブン』の隠しネタ
「第81回アカデミー賞」で、作品賞を含む13部門にノミネートされ、美術賞・視覚効果賞・メイクアップ賞を受賞した『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』。「第83回アカデミー賞」で、作品賞・監督賞・主演男優賞を含む8部門にノミネートされ、脚色賞・作曲賞・編集賞の3部門を受賞した『ソーシャル・ネットワーク』。そして、『ファイト・クラブ』『ドラゴン・タトゥーの女』『ゴーン・ガール』など、独創的なビジュアル表現と観る者の先読みを許さない力強いストーリーテリングで、世界中の映画ファンを熱狂させ続ける監督デヴィッド・フィンチャー。
この稀代の監督の名を一躍世界中に知らしめた衝撃のノンストップ・サスペンス・エンターテイメント『セブン』が、2025年1月31日(金)より期間限定で初のIMAX上映中だ。1995年の全米公開30周年を記念し、デヴィッド・フィンチャー監督自ら監修し、当時のオリジナルのネガから4K修復が行われた特別版でのIMAX公開となる。
![セブン](https://thecage.tokyo/wp-content/uploads/2024/12/seven_imax.jpg)
IMAX®︎ is a registered trademark of IMAX Corporation. ©︎1995 New Line Productions, Inc. All rights reserved.
舞台は雨降りしきる大都会。刑事を続けることに疲れ果てた退職間際のベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)は、赴任したての血気盛んな新人刑事ミルズ(ブラッド・ピット)と共に犯罪史上類を見ない“連続猟奇殺人事件”を担当することになる。
いまだに熱狂的なファンを増やし続けているその最大の魅力は、クライマックスに向けて加速する息つく間もない怒涛の7日間の展開と、想像を絶する驚愕のラストシーンだ。「全てが終われば、その結末は人には理解されにくいだろうが、認めざるを得なくなる」——劇中のあるシーンの台詞の通り、観た者たちに一生忘れないほどの《劇薬トラウマ体験》を植え付け、当時の体験は全米公開から30年たった今でもまったく色あせることが無い。
再上映され話題を呼ぶ本作にまつわる隠しネタをまとめてみた。観るたびに新たな発見があるこの映画の魅力を、改めて深掘りしていこう。
![セブン](https://thecage.tokyo/wp-content/uploads/2025/01/seven-imax-5.jpg)
IMAX®︎ is a registered trademark of IMAX Corporation. ©︎1995 New Line Productions, Inc. All rights reserved.
・「7」の数字
映画の冒頭、ミルズとサマセットが歩くシーンでは、背後のビルの番号がすべて「7」から始まる建物になっている。
・ミルズのネクタイ
作中でミルズが着用している特徴的なネクタイは、ブラッド・ピット本人が選んだもの。彼は脚本を読んだ段階で「ミルズはファッションセンスが悪そう」と感じ、自ら購入していた。
・ジョン・ドゥの日記
劇中で発見されるジョン・ドゥ(ケビン・スペイシー)の日記は、すべて手書きで用意された(!)制作にかかった時間は約2ヶ月にも及んだ。サマセットが「全部読むのに2ヶ月はかかる」と言うセリフがあるが、制作期間と同じだった。
・「雨」
『セブン』の特徴のひとつが、ほぼ全編にわたって降っている雨。しかし、これは演出ではなく、撮影当時のロサンゼルスがエルニーニョ現象の影響で大雨続きだったことに起因している。降ったり止んだりするとおかしいため、全シーンで雨に統一された。
・ブラッド・ピットの負傷と脚本変更
撮影中、ブラッド・ピットは雨で足を滑らせ、腕で車のフロントガラスを突き破る大ケガを負った。骨にまで達する深手だったため、急遽脚本を変更し、ミルズが腕を負傷するシーンが追加された。
![セブン](https://thecage.tokyo/wp-content/uploads/2024/12/seven.jpg)
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・オープニングで妊娠を知っていた?
オープニングはジョン・ドゥが日記を書いている映像をつなげたシーンで幕が開ける。彼が「プレグナント(妊娠)」と書かれた本を読んでいる。この時点で、彼がトレイシーの妊娠を知っていたことが示唆されていた。
・隠されたジョン・ドゥの行動
サマセットとミルズが聞き込みをするシーンでは、店の外から足を引きずった男(ジョン・ドゥ)が2人を監視している。
・ブラッド・ピットじゃなかった?
実はミルズ役の第一候補はデンゼル・ワシントンだった。しかし、脚本を読んだ彼は「暗すぎる」と出演を断った。その後、完成した映画を観て「なぜ出演しなかったのか」と後悔したという。
・サブリミナル映像
愛する身重の妻・トレイシー(グウィネス・パルトロー)の「首」を届けられたミルズがジョン・ドゥを射殺する直前に「サブリミナル」として、一瞬だけトレイシーの顔のアップ映像が挿入されていた。
・「箱の中身」
トレイシーの頭が入った箱は、撮影時に7~8ポンド(約3~4kg)の重りを入れ、ウィッグと血糊でリアルに再現されていた。しかし、フィンチャー監督は「モーガン・フリーマンがいれば中身を見せる必要はない」と判断し、観客の想像に委ねることになった。
・ラストシーンは違った?
『セブン』のラストシーンは、ラストシーンには3つの案が存在していた。
映画会社案:サマセットがジョン・ドゥを撃つ。
フィンチャー案:ミルズがジョン・ドゥを撃った直後に画面が暗転し終了。
最終案(採用):ミルズがジョン・ドゥを撃った後、サマセットがヘミングウェイの引用を話す。 ブラッド・ピットの「自分なら絶対に引き金を引く」という意見が決め手となり、現在の形に落ち着いた。
![セブン](https://thecage.tokyo/wp-content/uploads/2025/01/seven-imax-4.jpg)
IMAX®︎ is a registered trademark of IMAX Corporation. ©︎1995 New Line Productions, Inc. All rights reserved.
『セブン』は2025年1月31日(金)より期間限定でIMAX上映