STREAMING2025.07.26

『ブレイキング・バッド』が再びバズりまくる 博士号レベルのコラ職人たちがネット上で大暴れ

ブレイキング・バッド

Netflix

ドラマ『ブレイキング・バッド』をテーマにしたミームがネット上で再びバズっている。きっかけはXの人気アカウントが投稿した一言、「Breaking Bad fans got PhDs in meme creation」(ブレイキング・バッドのファンはミーム生成で博士号レベル)。この投稿が大バズり、大量のファン参加型リプライ合戦が起きている。

『ブレイキング・バッド』は2008~2013年に放送された、いまなお「史上最高のTVドラマ」の一本として語られる作品。化学教師ウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)が余命宣告を受け、家族の将来を守るため地元のドラッグディーラー、ジェシー・ピンクマン(アーロン・ポール)と手を組み、高純度メス製造に手を染める——という過程で「ハイゼンベルグ」として犯罪帝国を築いていく物語だ。濃厚なキャラ、セリフのキレ、極端なシチュエーションが多いこのシリーズは、ネットミーム素材の宝庫として愛され続けてきた。

本編は全5シーズンで完結。その後はスピンオフドラマ「ベター・コール・ソウル」、ジェシーにフォーカスしたNetflix映画「エル・カミーノ: ブレイキング・バッド ムービー」へと世界が拡張され、作品群として長く語り継がれてきた。エミー賞で合計16部門受賞という実績もブランド力を後押し。舞台となったニューメキシコ州アルバカーキにはウォルターとジェシーの像まで建てられ、地域アイコン化も進んでいる。

今回のネットミームでも、世界中のコラ職人たちが思い思いにシリーズ映像を加工・合成して大きな盛り上がりを見せている。

・トゥコ vs アベンジャーズ
イカれキャラとしておなじみトゥコ・サラマンカが映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』最終決戦に乱入。

・”ガス”・フリング vs 名作アクション
”ガス”・フリングを狙うためにマトリックス、ターミネーター、トップガンなどが参戦。

・カオスなマリオカート
ウォルター、ジェシーほかキャラたちが「マリオカート」風レースに巻き込まれる

この他にも、シリーズ名場面スクショに現代ネットスラングを乗せたもの、AI画像生成でキャラを異世界転生、昔のDVD画質風フェイクパッケージなど、クリエイティブの幅がとにかく広い。

作品人気があまりに長命なせいで、ロケ地がまさかの被害を受けるケースもある。ウォルターの家として撮影に使われた一般住宅では、ファンが劇中の“ピザ投げ”シーンを再現しようと屋根にピザを投げる悪ノリが後を絶たず、所有者がたびたび困っているというエピソードはファンダム周辺の“定番ネタ”になっている。

配信プラットフォームでいつでも見返せる名作ドラマは、ファンダムによる二次創作サイクルを繰り返しながら世代を超えて拡散していく。『ブレイキング・バッド』はその最良のケーススタディかもしれない。放送終了から10年以上たってなお、新しい文脈で共感を呼び続けるコンテンツ力は健在だ。

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