MOVIE2025.09.02

“ラスト20分衝撃展開が押し寄せる” 号泣必至の韓国ラブストーリー『あなたが眠る間』チャン・ユニョン監督インタビュー

あなたが眠る間

©2024 STUDIO KILLERWHALE & LOGLINE STUDIO All Rights Reserved.

『ファン・ジニ 映画版』『カル』を手掛けた韓国映画の名匠チャン・ユニョン監督が贈る、衝撃的な夫婦愛を描いた『あなたが眠る間』が、9月5日(金)より公開される。この度、日本独占のチャン・ユニョン監督インタビューが解禁となった。

一見幸せそうに見える、ある夫婦。しかし、妻は大切な記憶を失っていて、夫は大きな秘密を抱えていた……。想像を超えた夫婦の愛の在り方をセンセーショナルに描いた大人のためのラブストーリー。

監督は、1997年に初監督作『接続 ザ・コンタクト』が本国で大ヒットを記録し、2本目のサスペンス・スリラー『カル』で世界的注目を集めた名匠チャン・ユニョン。愛した夫の“真実”を追い求める妻を演じるのは、ドラマ「シスターズ」「グリーン・マザーズ・クラブ」などで印象深い演技を見せたチュ・ジャヒョン。そして、ドラマ「夫婦の世界」「支配種」ほか多くの作品で人気の高いイ・ムセンが、どこか謎めいた雰囲気を漂わせながら優しく妻に寄り添う夫を好演。次第に深まる疑惑とラストに待ち受ける衝撃が忘れられない感動をもたらし、エンディングでは大粒の涙が観るものを包み込む。『私の頭の中の消しゴム』『八月のクリスマス』など純愛物語の名作を生んだ韓国映画に、新たな愛の名作が誕生した。

今回、本作で12年ぶりに長編映画監督を務めた韓国の名匠チャン・ユニョンが、日本独占インタビューに答えてくれた。商業デビュー作『接続 ザ・コンタクト』(97)をいきなり大ヒットに導き、続くサスペンス・スリラー『カル』(99)は、そのショッキングな内容で驚異的なヒットを記録するとともに、世界中でセンセーションを巻き起こした。最新作もラブストーリーの佇まいから物語はミステリアスに展開する。次第に深まる疑惑と、ラストに待ち受けるどんでん返し。それは忘れられない感動をもたらし、エンディングでは大粒の涙が観るものを包み込む。愛する人のために自分は何ができるのかを問いかけた本作は、アジア各国で高い評価を受け、米レビューサイト「Rotten Tomatoes」では批評家たちから98%という高スコアを獲得して、クオリティの高さを証明した。

あなたが眠る間

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Q.「あなたが眠る間」を制作した経緯を教えてください。
この作品は、かなり前に中国市場への進出を視野に入れて企画したものでしたが、なかなか機会に恵まれず、そのまま眠らせていた企画でした。そんな中、新型コロナのパンデミックが起こり、映画館は閉鎖され、映画制作も中断せざるを得ない危機に見舞われました。映画界全体が絶望的な状況に陥ったのです。いつまでこの状況が続くのか分からず、不安ばかりが募る時期でした。しかし、何もせず待ち続けるわけにはいかず、ちょうどその頃、低予算でも映画を作れるチャンスが巡ってきました。そこで低予算に適した企画を探すうちに、長らく忘れていたこの作品を思い出し、何度も修正を重ねながら進めることになったのです。とはいえ、コロナ禍で制作を行うというのは決して容易な選択ではありませんでした。それでも、チュ・ジャヨンさんとイ・ムセンさんが制作の趣旨に賛同してくださり、スタッフたちも積極的に参加してくれたおかげで、奇跡的に完成へとこぎ着けることができました。

Q.チュ・ジャヨン、イ・ムセンのキャスティングについて。
正直、この映画は厳しい時期と環境の中で作られた作品だったため、大きな期待はしていませんでした。映画館が閉まったいたあの時期に映画を作るということは、どの俳優にとってもリスクを伴うことでしたからね。けれども、私はチュ・ジャヨンさんが映画に特別な愛情を持っていることを知っていましたし、彼女の演技力に感嘆していました。そこで思い切って脚本をお渡ししたのです。すると予想に反して、チュ・ジャヨンさんは一切ためらうことなく出演を決めてくださり、それが私や制作陣にとって大きな励みとなりました。絶望的な状況の中で彼女の参加はこの映画が完成に至るまでの最大の原動力でした。そしてさらにイ・ムセンさんのキャスティングも決まり、不可能に思えた映画制作が奇跡のように実現したのです。今でもなお、全力を尽くしてくれた二人の俳優とスタッフたちに深く感謝しています。

あなたが眠る間

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あなたが眠る間

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Q. 12年ぶりの長編監督作品ですね。観客は待望の新作となりましたが、12年前の制作時と比べて、韓国映画界において、変わったと感じたことはありますか?
これまで私は中国映画の制作や4Dシネマの実験などを通じて、韓国映画産業の拡大について模索を重ねててきました。そんな中、不意に訪れたコロナ禍は大きな衝撃でした。しかもその影響が完全に収まる前に、今度はグローバルOTTが韓国のコンテンツ市場に大きな変化をもたらしたのです。最も大きく変わった点は、観客の期待がグローバルな基準にまで成長したという点です。つまり、映画を含むコンテンツ企画の水準は、もはや国内にとどまっていてはならない、ということでもあります。いまだ劇場の状況はコロナ以前には程遠く、制作環境はむしろ厳しくなり、市場のハードルも高くなっていますが、今こそ新しい突破口が必要だと感じています。若い世代との積極的な対話や、海外各国のクリエイターと協力し、新しい題材や視点を取り入れたグローバルなコンテンツを生み出す努力が求められていると思います。

Q.日本の観客へ本作のどこに注目して欲しいですか?
この映画は、徹底的に俳優を中心に作り上げた作品です。できる限り俳優たちの演技を自然に映し出し、演出の介入を最小限に抑えるよう心がけました。とりわけ、チュ・ジャヒョンさんとイ・ムセンさんの演技に注目してご覧いただければと思います。

Q.最後に日本の観客へメッセージをお願いします。
韓国映画を愛してくださる観客の皆さまに感謝します。映画館がいまだ危機から抜け出せていない状況において、今こそ日韓間の映画協力が切実に求められています。これからも両国の映画交流がより活発になるよう尽力しますので、引き続きご期待ください。

『あなたが眠る間』は9月5日(金)より全国ロードショー

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