CULTURE2026.01.24

見る角度によって様々な物語に変化 yama、新曲「Dawn」を映画『恋愛裁判』に書き下ろし&MV公開

映画『恋愛裁判』(1月23日に公開)の主題歌として、yamaの新曲「Dawn」が書き下ろされた。楽曲は1月21日に配信限定でリリース、ミュージックビデオが公開された。

「Dawn」は、2025年7月に発表された「us」に続き、agehaspringsの百田留衣が作詞・作曲・編曲を担当。これまでのyamaの世界観を継承しながら、新たな歌唱表現を取り入れたバラードに仕上がっている。自身の夢と、目の前に現れた幸福の狭間で揺れ動く感情。選択の先に生まれる後悔や葛藤、理想通りに進まない人生と、それでも自分自身を愛そうとする意志が、映画の主人公・山岡真衣の心情と重なり合う。

楽曲では、力強さと儚さが同居するyamaの歌声が、迷いながらも前へ進もうとする感情を鮮明に浮かび上がらせる。歌詞は映画の物語と強くリンクしつつ、聴く者それぞれの経験にも寄り添う構造を持つ。

ミュージックビデオでは、映画とは異なる解釈が提示される。映像に登場するのは「父親」と「娘」。登場人物を置き換えることで、同じ歌詞がまったく別の物語として立ち上がり、新たな意味を帯びていく。映画の文脈で捉えるか、MVの物語として受け取るか。その視点の違いによって印象が変わる構成は、トリックアートのように多層的な解釈を可能にしている。

yamaは主題歌について、「自分が選んだことを後悔しないと誓っても、人は欲望や期待に目が眩んで自分を見失ってしまうこともある。それもまた人間らしさなのかもしれない」と語る。夢とアイデンティティの間で揺れ動き、理想とは違う自分であっても、その弱さごと愛せるように。そんな願いを込めて歌ったという。

yama

映画『恋愛裁判』は、実際の裁判に着想を得て生まれた問題作。アイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」のセンター・山岡真衣が、「恋愛禁止ルール」を破ったことで訴えられるという物語を通して、華やかなアイドル文化の裏側にある矛盾や孤独、そして個人が自分自身を取り戻すための闘いを描く。

監督は、『淵に立つ』でカンヌ国際映画祭ある視点部門の審査員賞を受賞し、『LOVE LIFE』でヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出された深田晃司。本作でもカンヌ・プレミア部門に正式出品され、公式上映ではスタンディングオベーションが巻き起こった。

主演は、元・日向坂46でセンターを務めた齊藤京子。映画初主演となる本作で、アイドルとして、そして一人の人間として葛藤する主人公をリアルに体現する。共演には倉悠貴、唐田えりか、津田健次郎らが名を連ね、劇中アイドルグループのメンバーには現役・元アイドルや若手俳優が集結した。

恋愛裁判

主題歌「Dawn」は、映画の問いかけと静かに呼応しながら、観る者、聴く者それぞれに「選択」と「許し」の意味を投げかける。作品と楽曲、その両方が重なり合うことで、『恋愛裁判』はより深い余韻を残すものとなっている。