CREATIVE2026.01.23

デフトーンズの傑作アルバム『Around The Fur』 ジャケ写の女性が当時を振り返る

Deftones Around the Fur

1997年リリース、Deftones(デフトーンズ)の代表作『Around the Fur(アラウンド・ザ・ファー)』。「My Own Summer」など人気曲を収録し、ヘヴィロックをネクストレベルに引き上げた傑作アルバムだ。音楽的クオリティもさることながら、アップの女性の写真が目を引くアートワークも非常に印象的で、ビジュアルも含め90’sを代表する1枚となった作品である。そろそろ30周年を迎えようという本作だが、スケートマガジンの「Jenkem」がアルバムジャケットの女性と撮影した写真家を突き止め、インタビューを行った。

女性はリサ・ヒューズといい、写真家リッチ・コシックと共に、デフトーンズがレコーディングを行なっていたシアトルのスタジオに「遊びにきなよ」と招かれたのだという。裏庭にジャグジー付きのプールがあって、バンドが上り調子だったこともあって、その場はパーティ・モードだったらしい。「写真でも撮りながら、ぶらぶらしながら楽しんでもらえれば」と言われて、コシックはその通り気ままに過ごしていたそうだ。もちろんアルバムのアートワークに使用されるなんて思いもよらなかったという。そしてある女性が目に止まったので、彼女に近づき、魚眼レンズが印象的なあのショットが、特に何の気もなしに撮影された。アートディレクターから「ジャケットに使用することを検討している」との連絡がきたのは、しばらく後のことだったという。実際に完成したアートワークを見たコシックは「すごく驚いたけど、もちろん嬉しかったですよ。それまで舐められたり嫌な思いもしてたので、やっと認められるって気持ちがあったし」と回想する。

リサももちろん「自分の写真がまさかアルバムジャケットになるとは思いもしなかった」と話す。それなのに世間からは「ただのバンドのグルーピーの1人なんじゃないか」などと勘繰られるなど、あること無いこと言われたらしい。「グルーピーなんじゃないか、って揶揄するような記事も見ましたし、他にも憶測だけであれこれ勝手なことも言われました。でも私は当時ただエキサイティングなことが好きで、好奇心旺盛で好きに楽しく暮らしていただけでしたから」とリサ。奔放な若い女性だったかもしれないが、決してグルーピーなんかではなかった、と説明する。「“ニキビがある”とかなんとか、くだらないこと言う人もいましたね。私はモデルでもなんでもないんだし、“知るかよ”って思いますよ。普通の人間なんですから。ただ、これやっぱりとってもクールな写真だと思いません?」と今でも誇らしげだ。

バンドのフロントマンであるチノ・モレノも、昨年のインタビューでこのアートワークについて「ヒューズはシアトルで知り合った友人の1人だった」そうで、本当に偶然撮られた1枚だったらしい。「みんなで写真を選ぶ段になって、候補を全部テーブルに広げたら、全員があの写真を指差したんだ」と話していた。それにしても「30年近く後になって、今でもティーンがTシャツ着てたりするなんて、当時は全く思わなかったよね」と感慨深そうだった。

デフトーンズは昨年10作目『Private Music(プライベート・ミュージック)』をリリースし、2026年は欧州ツアー、インターポルとのオーストラリア/ニュージーランドツアーを立て続けに行い、各所のフェスにも出演が控えている。ヘヴィロックの立役者、もはやレジェンドの域だが今年もバリバリに活動する予定だ。

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