REVIEWS2025.02.24

混沌としたウルトラバイオレンス 「映画史上最高のジョーカー」 鬼才ノーラン監督が故ヒース・レジャーに撮影前に渡したモノ

ヒース・レジャーが『ダークナイト』で演じたジョーカーは、映画史上最高のジョーカーと言っても過言ではないだろう。ティモシー・シャラメが俳優を志すきっかけにもなった事でも有名だ。

レジャーのジョーカーを作り上げた要素のひとつに、アンソニー・バージェスの小説「時計じかけのオレンジ」がある。スタンリー・キューブリックによる1972年の映画版と同じく、この小説の主人公アレックスは、混沌としたウルトラバイオレンスなキャラクターでただ純粋に破壊と暴力を愛している。

クリストファー・ノーラン監督は、撮影前にレジャーにこの小説を読むよう勧めた。「脚本が完成する前に彼をキャスティングしたから、彼は長い時間をかけて役作りに没頭できた」とノーランは2018年のIndieWireのインタビューで語っていた。「彼にいくつかの資料を送ったんだけど、そのひとつが『時計じかけのオレンジ』だった」。ノーランはレジャーに勧めた理由を詳しく語らなかったが、もはや説明の必要もないだろう。アレックスとジョーカーは、多くの点で共通している。彼らは恐ろしい存在でありながら、観客が次に何をしでかすのか気になってしまう、危険な魅力を持っているのだ。

『ダークナイト』はNetflixで配信中

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