STREAMING2025.04.06

過激な暴力と放送禁止用語の嵐… ギャング映画の傑作『スカーフェイス』の知られざるトリビア

アル・パチーノが主演したギャング映画の金字塔『スカーフェイス』(1983年)。本作は1932年に製作されたギャング映画の古典「暗黒街の顔役」を、ブライアン・デ・パルマ監督がリメイクした作品だ。オリバー・ストーンが脚本を手掛け、アメリカの裏社会でのし上がっていく主人公トニー・モンタナをアル・パチーノが演じている。過激な暴力描写が満載の本作のトリビアを紹介。

・リメイクする企画を思いついたのはアル・パチーノ
アル・パチーノが映画「暗黒街の顔役」を鑑賞し、主役を演じたポール・ムニの素晴らしい演技に感銘を受けながら「リメイクしたら面白そうだ」と考えて、プロデューサーのマーティン・ブレグマンに連絡したことがきっかけで、本作の製作はスタートした。

・オリジナルの設定を現代風にアレンジしている
当初監督に決まっていたシドニー・ルメットが、主人公の設定をオリジナル版のイタリア系移民からキューバ系移民に変更し、禁酒法時代に密造酒ビジネスを行うのではなく、マイアミで麻薬ビジネスにより財を成す人物であるようにアップデート。単なるリメイクではなく、現代的なギャングスター映画を製作することで、当時の社会に問題提起しようとした。そのアイデアを気に入ったオリバー・ストーンが脚本で参加することも決まった。のちにシドニー・ルメットは降板することになるが、ブライアン・デ・パルマが監督を引き継いだ。

・ほぼ無名だった女優ミシェル・ファイファーが出演している
トニー・モンタナのトロフィーワイフ的な妻・エルヴァイラ役を演じたのは、ミシェル・ファイファー。アル・パチーノは当初グレン・クローズを推していたようだが、プロデューサーのマーティン・ブレグマンとブライアン・デ・パルマ監督が、オーディションでミシェル・ファイファーを抜擢した。当時はまだ知名度がない若手女優だったが、この作品を観ると彼女にはすでに十分なスター性があることが分かるだろう。

・クライマックスシーンの撮影にスティーブン・スピルバーグ監督が参加した
壮絶な銃撃戦が描かれるラストシーンでは、アル・パチーノが誤って拳銃に触れて怪我をするトラブルに見舞われ、2週間ほど撮影が中断することに。そして、かねてよりブライアン・デ・パルマ監督と交流があり、前年(1982年)には映画「E.T.」を大ヒットさせたスティーブン・スピルバーグ監督が急遽撮影に参加することになった。

・ヒップホップの世界に強い影響を与えた
主人公が社会のどん底から成り上がっていくサクセスストーリーを描いた本作は、ヒップホップアーティストたちに大きな影響を与えた。本作からインスピレーションを受けたアーティスト名や曲名、登場人物や台詞などがサンプリングされた楽曲は数多く存在する。本作が公開された年から現在に至るまで、ラッパーたちのバイブルとして支持され続けている。

『スカーフェイス』はNetflixで配信中

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