REVIEWS2025.03.12

異論は認めない。 結論から言うと『キャプテン・アメリカ:BNW』最高の見どころは、ハリソン・フォードだ

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド

©︎2025 MARVEL.

結論から言うと、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は、特筆すべき部分があるとすれば、それはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に初参戦するハリソン・フォード演じるサディアス・“サンダーボルト”・ロス大統領だ。噴火のような咆哮をあげ、すべてを一捻りでなぎ倒す最強のパワーを持つレッドハルクへと変貌し、サム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)に襲い掛かる。

予告編ですでに“レッド・ハルク”の登場がバレていたとはいえ、それでも彼の変貌はスリリングで、アクションシーンはかなり見ごたえがある。そして何より、それらすべてを支えているのがハリソン・フォードの演技だ。

フォードは、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は彼が本物の映画スターであることを改めて証明する作品になっている。彼がこの映画を観る最大の理由であり、今後のMCUはもっと彼を活用すべきだ。映画の中でフォード演じるロスが登場する瞬間、彼は画面を完全に支配する。
単なるカメオ出演やビッグネーム枠ではなく、本物のスターの存在感で映画を引き締めている。近年のMCUは有名俳優を起用しても、コメディ要素の強い役やポストクレジットシーンのサプライズ要員として消費しがちだった。例えば、ラッセル・クロウ(『ソー:ラブ&サンダー』)、ビル・マーレイ(『アントマン&ワスプ:クアントマニア』)、ジェイク・ジレンホール(『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』)、ケイト・ブランシェット(『マイティ・ソー バトルロイヤル』)など。彼らの演技は優れているが、どこかコミカルなニュアンスが強くなっていた。だが、フォードは違う。ロスはMCUでも屈指の“シリアス”なキャラクターであり、フォードはそこに重厚なリアリティを持ち込んだ。映画がどれほど荒唐無稽になろうとも、彼の演技が地に足をつけさせている。

フォードはMCUに再登場するのだろうか?ひとまず物語から退場する形になっているが、MCUには「シークレット・ウォーズ」という大イベントが控えており、さらに“ハルク”のバリエーションが増えている(『シー・ハルク』で登場したハルクの息子も含めて)。これらの要素が絡めば、ロスが復活する可能性もゼロではない。現在のMCUは過去のキャストに頼る傾向が強くなっている。「ファンタスティック・フォー」ではドクター・ドゥーム役にロバート・ダウニー・Jr.を起用する噂があり、ヒュー・ジャックマンもウルヴァリン役を続投すると言われている。そう考えると、フォードのサディアス・“サンダーボルト”・ロスが、2025年5月3日公開の「サンダーボルツ*」に登場する可能性もなくはない。果たして彼は戻ってくるのか? MCUが今必要としているのは、フォードのような“本物の映画スター”ではないだろうか。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は大ヒット上映中

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