MOVIE2025.04.13

人間のプリミティブな恐怖を呼び覚ます 「ありきたりな手法は避けたかった」 話題の脱出サイコスリラー『異端者の家』監督インタビュー

A24と『クワイエット・プレイス』脚本コンビが手掛けるヒュー・グラント主演の映画『異端者の家』が、4月25日(金)より公開される。この度、監督と脚本を手がけたスコット・ベック&ブライアン・ウッズ監督のインタビュー映像が解禁となった。

「ヒュー・グラントが死ぬほど恐ろしい」と話題の本作が一体どのようにして作られたのか?ヒュー・グラントの新境地、知的な恐怖の演出、“家”の存在と役割—この衝撃的な物語は、どのようにして生まれたのかを、『クワイエット・ルーム』の脚本で知られ、本作では監督と脚本を手がけたスコット・ベック&ブライアン・ウッズ監督に問いかけた。

“音を立てたら即死”—衝撃的なストーリーを掲げた『クワイエット・プレイス』の脚本で、世界を魅了したスコット・ベック&ブライアン・ウッズ。実は、幼い頃から友人であったという彼らが、長年交わしてきた議論を映画化、監督と脚本を手がけたのが、“人間のプリミティブな恐怖を呼び覚ます”脱出サイコ・スリラー『異端者の家』。

ウッズは、本作を制作するにたたって「ありきたりな手法は避けたかった」と答える。「突然大きな音で驚かせるとか、暗闇からモンスターを出すとかね」と、自身たちが手がけた『クワイエット・プレイス』を彷彿とさせるような皮肉を込めつつ「知的かつ哲学的なセリフを用いて、モンスターと同じ効果を狙ったんだ」とも言及した。

頭脳派サイコパス・ミスター・リードを演じるのは、『ラブ・アクチュアリー』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズなど多数のヒット作で世界を虜にしてきた元祖“ロマンティック・コメディの帝王”ことヒュー・グラント。新境地となる猟奇的な演技は「死ぬほど恐ろしい」「キャリア史上、最も印象に残る演技の一つになる」と絶賛、「第82回ゴールデングローブ賞」や「第78回英国アカデミー賞」など名だたる賞にノミネートされたことも話題になった。

異端者の家

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最恐の笑みを見せ、当て書きにしか思えないほどハマり役のヒュー・グラント。だが実際は、脚本を書き終えた時にはキャストはまだ決まっておらず「キャスティングは本当に恐怖だった」とウッズは振り返る。だがやがて、2人のシスターがうっかり足を踏み入れてしまうほど魅力的なこの男性を演じられるのは「いくら考えても結局はヒューに行き着いた」と回想、念願だった“長年のファン“ヒューへのオファーが実現したことを告白。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウンパルンパ役、『パディントン2』での悪役、ガイ・リッチー作品での多様な役柄への果敢な挑戦を上げ、「映画史に残る性格俳優」と、惜しみない称賛を送った。

撮影監督は、『IT/“それ“が見えたら、終わり。』『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』『オールドボーイ』などで知られるチョン・ジョンフン。本作独特の密室の雰囲気や恐怖感を高めることに大きな役割を果たすために、「独特のフレーミングや照明で怖さを出してもらった」とウッズは明かす。

そして、監督たちが「第4の主人公」と語るほど存在感が際立つ“家”のデザインを手掛けたのは、アロノフスキー監督の『マザー!』や『ハンガーゲーム』シリーズなどを手掛けた、名匠フィリップ・メッシーナ。「奥に進んでいけば行くほど、恐怖が増す家を具現化してくれた。またミスター・リードの化けの皮が次第に剥がれていき人格もあらわになってくる」とウッズが語るように、まるで、生物のような佇まいを持つ恐怖の“家”プロダクトデザインを実現している。

最後ベックから「これは劇場で体験するために作られた映画だ。暗闇の中で何百人の他人と観てほしい」怖くてスリリングだけど、ダークな笑いも楽しめると思う。ヒューは今までで最もダークは役だしね」「物語に潜む闇に身を委ねてくれたら予期せぬ展開をきっと楽しめるはず」とこれから本作を観る観客へとメッセージを送った。

異端者の家

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『異端者の家』は4月25日(金)より全国ロードショー

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