MOVIE丨2025.05.13
日本のコンビニをゾンビが襲う!?A24が贈る、注目の英日合作映画『KONBINI ZOMBIES(原題)』が本格始動
日本のコンビニをゾンビが襲う、英日合作映画『KONBINI ZOMBIES(原題)』が、東京ロケハンを経て本格始動。キャスティングも現在進行中だ。
本作は、A24製作・配給の話題作『終わりの鳥(原題:Tuesday)』のプロデューサー手がける注目の国際共同製作作品であり、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のような軽妙なテンポとユーモアに、日本的なキャラクター造形と社会感覚を掛け合わせた、新感覚のゾンビ・エンターテイメント。
舞台は、東京の24時間営業コンビニ「ハッピーマート」。浪人生のマユミは、毒舌な帰国子女アマンダ、K-POPアイドルを目指すイケメン店員ジンウー、ホストとコンビニを掛け持ちするヴィーガン男子ケン、そして熱血な店長らと共に、突如発生したゾンビ襲来に巻き込まれ、コンビニに立てこもることに。コンビニという“日常の象徴”を舞台に、 笑いと恐怖、カラフルなキャラクターたちとポップなビジュアル、そして誰もが抱える不安と自己肯定感の欠如を、ネオンに包まれた日本らしい風景の中で描き出す。
監督・脚本を手掛けるのは、イギリス出身のモラヨ・アカンデ。BAFTAおよびBIFAにノミネートされ、デビュー作の短編映画『1745』は、BAFTAおよびアカデミー賞公認の映画祭で上映。脚本賞をはじめ多数の賞を受賞するという実力派の女性監督。エグゼクティブ・プロデューサーには、なんと監督モラヨ・アカンデの実の姉モヨ・アカンデが参画。製作と並行し俳優業との両分野で国際的に活躍しており、短編『A.V. Van』では共同プロデュースと主演を務め、アカデミー賞公認のReel Sisters Film Festival(NY)で最優秀コメディ賞を受賞。近年ではウェストエンドでもデビューし活躍する一流舞台俳優だ。
プロデューサを務めるヘレン・グラッダーズは、A24が製作・配給し大きな話題となった映画『終わりの鳥』をプロデュースしたことで有名。同作は、テルライド映画祭でのワールドプレミア後、ロンドン映画祭・First Features部門にも選出され、いま世界で最も注目されているプロデューサーの一人。共同プロデューサーとして、デジタルマーケティングにも強い日本の製作・配給会社会社フラッグの小田寛子も名を連ねる。世界屈指の最強チームが集結し、独特ながらも重厚なテーマ性を持つ本作に期待が膨らむ。
現代のゾンビの原型を作った、巨匠ジョージ・A・ロメロ監督の代表作『ゾンビ』(1979)では、主人公一行がショッピングモールに籠城し、大衆消費社会に対する皮肉を描いた。本作では、日本の「消費社会」「空っぽの世の中」「すべてあるようで無機質な空間」を象徴とした“コンビニ”を舞台としている。主人公は、そんなコンビニで自分探しの旅をし、成長していくという皮肉が効いており、ゾンビの根源的テーマをリスペクトする愛に溢れた作品だ。現在キャスティングが絶賛進行中とのことで、この令和にどんなゾンビ映画が完成するのか、待ちきれない注目作となっている。
監督・脚本:モラヨ・アカンデ
『Konbini Zombies』の着想を得たのは10年以上前、初めて東京を訪れた時でした。スーツケースが1週間届かず、毎日通った地元のコンビニが生活の拠点となりました。ある夜、静まり返った店内で、ふと「もしここでゾンビが現れたら?」と想像したことが、この作品の原点です。日本で暮らすようになってから、私は言葉を学び、多くのコンビニで過ごし、さまざまなバックグラウンドを持つスタッフの方々と話をしてきました。コンビニはただの便利な場所ではなく、地域社会の鼓動のような存在だと感じています。この作品には、日本での生活経験や、店のカウンター越しに見えた人々の物語が色濃く反映されています。また、私の原点であるイギリスの控えめでドライなユーモアも織り交ぜ、他にはない独自のトーンに仕上がっています。
エグゼクティブ・プロデューサー:モヨ・アカンデ
モラヨの脚本を初めて読んだとき、その世界観に一気に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。『Konbini Zombies』は、これまでにない新鮮で大胆なアプローチで、ゾンビジャンルにユニークな風を吹き込んでいます。日本へのロケハンでは、チームで東京中を巡り、個性豊かなコンビニを見て回りました。その中で、日本の文化や現代社会の空気感を肌で感じることができ、私自身もメロンパンの大ファンになりました。本作は、観客の記憶に残る唯一無二の作品になると確信しています。そんな特別なプロジェクトに参加できることを、心から光栄に思います。
プロデューサー:ヘレン・グラッダーズ
『Konbini Zombies』でフラッグとタッグを組めることをとても嬉しく思っています。2024年1月には東京ロケーションボックスの協力を得て、ロケハンのために東京を訪れました。長年にわたってモラヨと共に開発してきたこの大胆で独創的な脚本を、実際に日本のコンビニという舞台で体験できたのは非常に貴重な機会でした。本作は、日々コンビニで働く多様な人々や文化が織りなす“日常の最前線”を描きます。まさに、ゾンビパンデミックが始まるには絶好の舞台だと感じています。この映画を日本で撮影できることをとても楽しみにしています。そして、世界中の観客とコンビニ文化の魅力を共有できる、エンターテイメントに富んだ“ラブレター”のような作品になると信じています。
共同プロデューサー:小田寛子(Hiroko Oda)
本作には、モラヨ監督が東京に長く暮らし、言語だけでなく、彼女ならではの鋭いセンスや感受性を通して捉えた“今の日本” 、“今の東京“が色濃く反映されています。現代の日本社会に生きるキャラクターたちを、イギリス特有のハートフルで皮肉の効いたコメディのトーンで描こうとするこの試みに、強く惹かれました。また、ジョージ・A・ロメロがゾンビというジャンルを使って社会風刺を行ったように、この作品もユーモアとエンターテインメントの中に、時代を映す視点をしっかりと持っています。非常にコラボレーティブで、互いの感性やバックグラウンドを尊重し合えるチームの一員として、この挑戦的でユニークな作品に携われることを心から嬉しく思います。