REVIEWS2024.12.24

参加者がほぼクズ!カイジ+バトルロワイヤル 『イカゲーム』シーズン1、エグすぎる“無慈悲な処刑シーン”BEST5

Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン2が、12月26日(木)より世界独占配信される。「イカゲーム」とは、膨大な借金や深刻なトラブルにより人生を諦めかけた者たちが、“人生一発逆転”できるほどの高額賞金を懸け、<誰もが知る子どもの遊び>になぞらえた「負けたら即死」のゲームに巻き込まれていく、世界的メガヒットのサバイバルスリラー。『イカゲーム』といえば、瞬く間に話題となったのはデスゲームの参加者らの“無慈悲な処刑シーン”。シーズン1の中で、とりわけ印象に残った処刑シーンを改めて振り返ってみたい。

イカゲーム

Netflix『イカゲーム』

・「だるまさんが転んだ」で動いたら射殺(第1話)

主人公のギフンら参加者たちが、大金欲しさに参加したサバイバルゲームで、彼らが状況もよく飲み込めないままにおもむろに開始されたのは“鬼”であるロボットの少女を相手にした「だるまさんが転んだ」ゲーム。しかしこのゲーム、鬼に動いたことが察知されると、その場で射殺されてしまうというあまりにご無体なシステム。それをよく理解せず、スタート直後にお調子者キャラの参加者が飛び出すのだが、これがお約束的に瞬殺されると、参加者の多くが恐怖のあまり逃げ出そうと大パニックに。しかし“鬼”は、そんな逃げ惑う参加者たちも「動いている」としか認識しないため、そこから阿鼻叫喚のジェノサイドへ。ドラマ自体が『カイジ』+『バトルロワイヤル』的色彩のあるものであるためさもありなんといった印象だが、ドラマ全体に共通している“無慈悲に殺しまくる”という要素を示す象徴的なシーンであるともいえそうだ。

・仮面を外しただけで処刑シーン(第3話)

“理不尽な理由で殺しまくる”というスタイルが基本となっているこの作品では、ゲームの参加者だけがそうした目に遭わされるのではない。第3話では、ちょっとした気の緩みから、ある参加者に銃を奪われた運営スタッフの1人が、参加者に銃口を向けられた際に、説得をしようと自らの仮面を取り外し、素顔を見せることとなったものの、これが“職務規定違反”にあたるとあって、その場に駆けつけた運営側の現場リーダー“フロントマン”によって、参加者諸共“秒”で処刑されることに。

・“味方”だったはずなのにあっさり騙されて死亡(第6話)

ゲームも終盤に差し掛かった頃に挑むこととなった『ビー玉遊び』。このゲームでは参加者が2人1組となって“暴力以外の方法”でビー玉を手に入れた方が勝ち残るというものだったが、主人公のギフンは、序盤から仲良くなった“隠れVIPじいさん”イルナムと組むものの、途中でイルナムが認知障害を発症するというトンデモ展開に。その頃、気の良い出稼ぎパキスタン人労働者アリ(※実は主人公の命の恩人である)と組んだ“闇堕ちエリート”のサンウは、アリにビー玉を賭けた勝負を挑むも一向に勝つ気配ナシと見るや、アリの朴訥とした優しい性格につけこみ、ペテンに嵌めた上でビー玉をくすねると、そのままゴール。道徳も人情もクソもない韓国の受験戦争を勝ち残り、貧困層から成り上った元エリートのサンウらしい、なんともクソ野郎極まりないクズっぷりを発揮することとなった。一方、“仲間”であり、“兄貴”と慕っていたサンウを最後の最後まで信じていたアリはすべてを悟った後で無言で涙を流し…アーメン(じゃなかった。インナ・リラーヒ・ワ・インナ・イレイヒ・ラージィウーン)。

・怪我で弱った隙に“仲間”によって刺殺(第8話)

結局のところ、終盤まで生き残ったのは、“運と気の良さがウリ”の主人公・ギフンと、その幼馴染で地元の後輩にして、かつては神童と呼ばれたこともあったという“闇堕ちエリート”のサンウ、そして家族を救い出したい一心で過酷な戦いを乗り越えてきた“脱北ギャル”セビョクの3名に。3人はこのゲームの中で“仲間”となり、時には協力しあって勝ち進んできてはいたものの、前述・第6話のアリへの騙し打ちが仇となったか、ギフンからの信用もガタ落ちとなっていたサンウだけが浮いた形に。実際、ギフンはサンウを倒そうと決意し、セジョクに共闘を持ちかけることとなったのだが、彼女は深手を追ってしまい、もはやプレー続行が困難な状況に。すると“人の良さ”から見かねたギフンは、運営スタッフにゲームの中止を願い出ることで、セジョクの命を救おうと試みたものの、その隙を突いてサンウがセジョクをナイフでバッサリ…自身の目的達成のためには手段を選ばない“元・エリート”ならではの清々しいほどのクズっぷりを遺憾なく発揮することとなった。

・協力を願い出たのに殺害(第5話)

ここまでは運営サイドと、はからずも“闇落ちエリート”のサンウの鬼畜ぶりばかり並ぶ形となってしまったのだが、無慈悲すぎる死をもたらすのは、なにも彼らだけじゃない。なぜか「兄を探す」という、一見まともそうに見えて、実はなかなかぶっ飛んだ目的でゲーム会場へと潜入し、スタッフに成りすます形で捜査を行っていた刑事・ジュノもなかなかのクズなのだ。第5話でジュノは、28番をつけた“本物のスタッフ”を脅した上で強引に情報を得ることとなったが、その際にミスター28番がジュノの“兄探し”への協力を申し出ると(…というか、そもそも情報をバラしたのが露見すると処刑されるので、それしかこのスタッフも生きる道がない)、その申し出に耳を貸すことなくその場で射殺。そもそも正当な犯罪捜査であるならばまだしも、職務とは言い難い私的な潜入で平然と人を殺す刑事という時点でなかなかのイカレぶりだが、殺害された28番スタッフの見の上を思うと、なんとも理不尽としか言いようのないものがあるといえるだろう。

このように、このドラマは、誰一人としてまともな者がゲーム界隈にはいないために、極めて理不尽で、あまりに無慈悲な死が大量生産されるのが特徴だ。言ってしまえば「基本はどうあがいたところで誰かに殺される」わけである。しかもゲーム中に死ねば、おかしな臓器ブローカーに自身の臓物を売り飛ばされるというオマケまでついている。しかもさらに言えば、最後まで“死ぬことなく”勝ち残って大金を手にしたとしても、そこには、“ありふれた幸せな日常”があるかといえば必ずしもそうではない。果たしてシーズン2で登場人物たちは、どのような“デスゲーム”を繰り広げるのか。

Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1:独占配信中、シーズン2:12月26日(木)世界独占配信

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