CREATIVE2025.12.28

一般人の“どうでもいい商品レビュー”がカッコよくなる? 名優ベネディクト・カンバーバッチを“無駄遣い”した神CM

「この商品の購入を諦めるくらいなら、私は最初に迎えた我が子を養子に売り飛ばしてもいい、って思うほどです。まあ、あの子も今年40歳になるので貰い手に苦労しそうだけど…」

一般ユーザーから寄せられたAmazonのどうでもいい商品レビューを、名俳優が無駄に格調高くレビューするAmazonのホリデー・シーズン・キャンペーン「5 Star Theater」。今年はべネディクト・カンバーバッチが務め、話題になっている。

ちなみに冒頭のセリフはビデ付き保温式トイレ便座に寄せられた女性ユーザーからのレビューだ。無駄にウィットの効いたしょうもないレビューが、カンバーバッチの深みのある声とディープな演技で無駄に格調高くなっている。エレガントなイギリス・アクセントと、シェイクスピア劇からシャーロック・ホームズまで演じた演技力が相まってドラマチック、見てる側は否応無しに引き込まれてしまう。まさに演技力の無駄遣いである。

Amazonキャンペーンが昨年展開された際、一般ユーザーから「来年はカンバーバッチがやるべき」という投稿があったことを受けて、今回実際の起用となったわけだが、人選は大成功である。かつて、フランスの大歌手エディット・ピアフは「ただの電話帳を読み上げても人を涙させてしまうだろう」と評されたが、カンバーバッチも最早その境地だなのだろう。そんな自身のことをも、見事にコメディにしてしまった名CMシリーズの誕生だ。

しかしティモシー・シャラメのZOOMコントしかり、ブラッドリー・クーパーのアメフト陰謀論コメディCMしかり、名優たちの“自分達を笑ってしまおう”ユーモアはここのところバイラルヒットを連発している。このコメディ・ブームはまだまだしばらく続きそうだ。

WHAT TO READ NEXT