REVIEWS丨2025.04.06
映画全体の不穏な空気を象徴… 観客に“強烈な衝撃” 『破墓/パミョ』キム・ゴウン、圧巻の「テサルお祓い」シーン

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超豪華キャストとジャンル映画監督がタッグを組み、世界中を震撼させたサスペンス・スリラー『破墓/パミョ』で、キム・ゴウンが演じる巫堂(ムーダン)のファリムが披露する「テサルお祓い」のシーンは、観客に強烈なインパクトを与えた。
跡継ぎが代々謎の病気にかかるという奇妙な家族から、先祖の墓の改葬依頼を受けたファリムと弟子ボンギル(イ・ドヒョン)は、風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)と共に、改葬とお祓いを同時に行なう事に。「テサルお祓い」とは、一種の疑似お祓いで別名厄落とし。供え物はブタ5匹で、イノシシ年の働き手5人に墓を掘らせて、地の悪い気を供え物に移し、ファリムが代わりにお祓いを行なうというもの。
青い服に身を包んだファリムは、白い服で祈祷を捧げるボンギルに合わせて刀を振り回し、踊りながら奇声を上げ、徐々に何かが乗り移るかのように、体を震わせてトランス状態に入っていく。この一連の流れは、観る者に強烈なインパクトを与え、物語の中で重要な役割を果たし、ファリムのキャラクター性と物語の緊張感を高めた。キム・ゴウンは、このシーンのために実際の巫堂の先生からお祓いや儀式のやり方を学び、多くの映像資料をチェック。巫堂を見事に体現、リアルで迫力のある演技を観客に披露した。
チャン・ジェヒョン監督はリアリティーを生かす為に CGは最小限に抑え、実写での撮影を原則とした。フォーカスが少し合っていない不格好な画面もそのまま使用し、勢いが感じられる映像を実現したという。また、「サンドクは直観的に物事を見抜く力を持った人物なので、直視する目つきが感じられるイメージを大事にし、ファリムは普通の人には感じられない世界を行き来する人物なので、直感的なイメージを逃さないようにした」と語り、各キャラクターの特性を損なわない撮影の過程について説明した。
この「テサルお祓い」のシーンは、映画全体の不穏な空気を象徴しており、ファリムのキャラクターの深みと物語の緊張感を高めている。キム・ゴウンの圧巻の演技と相まって、観客に強烈な印象を残すシーンとなった。
『破墓/パミョ』が、4月18日(金)よりPrime Videoにて独占配信