STREAMING2025.04.10

日本のエースから“ドジャースのエース”へ… 山本由伸という投手を作り上げた 「変わっている」槍投げトレーニングの秘密

山本由伸

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

MLB2年目となる今季はここまで3試合に登板し、1勝1敗ながらも、防御率は1.69、奪三振率も10.69と十分に役割を果たし、不安定なドジャース投手陣の中で、早くもその柱となりつつある山本由伸。そんな山本といえば、かねてより独特なトレーニング方法を取り入れていることで知られているが、その“理由”について語った。

amazonプライムビデオで配信中のドキュメンタリー作品『バックステージ・ドジャースBackstage Dodgers』は、悲願の昨季ワールドシリーズ優勝を果たしたドジャースに密着し、選手やスタッフらの“試合では見れない顔”を見せてくれる作品。エピソード1は昨季、大谷翔平が達成した「50-50」と、ワールドシリーズ優勝に焦点を当てつつ、個々の選手たちについても、その素顔に迫る内容。このエピソード1の中で山本は、槍投げをモチーフにした自身の調整・練習方法について、実演シーンの映像を交えつつ語っている。

春季キャンプ中に撮影されたこの映像の中で山本は、この一見、“特異なもの”に思われがちな自身のトレーニング方法について、「よく、“変わってる”とか、“変わってるトレーニングだ”とか、そういう見え方もよく言われますけど…」としつつも、「やってることはすごい基本的なことで。その(投げた槍の)軌道で自分のフォームがどうなったかっていうのが、すごくわかる練習ですね。」と、たしかに“変わっている”という印象を持たれがちであることは事実であるものの、体幹と上半身の強さが必要な山本の投球を、“正しい形”“あるべき姿”に保つ上で理にかなったものであるとコメント。実際、このトレーニング方法を指導した山本のトレーナー・矢田修氏も「コツを、大きく使うというところから、無駄のない調整能力に持っていこうとしたら、大きく動かすとなったら、ああいう形になるんですね。投球はもうちょっと小さい形になりますけども」と、その効果について語る。

山本はプロ入り1年目のオフから矢田氏に師事し、こうした独特なトレーニング方法を取り入れることで、現在の投球を身につけ、その才能を発揮できるようになったという。それだけに山本は、「(矢田氏との出会いにより)もともとの体の使い方が間違っているんだよというふうに教えて頂いて。そこからトレーニングを教わって、投手としての僕をつくってくれたのは、もうホントに矢田先生だと思います」と語る。なお、槍投げトレーニングは、全部で400以上あるという矢田氏のトレーニング方法の1つに過ぎないそうで、山本はこのトレーニング以外にも、その都度必要なトレーニングをひたすらコツコツと地道に重ね続けることでやがて“日本のエース”へと成長し、海を渡るまでになったのだそうだ。

矢田氏と二人三脚で取り組んできたトレーニングにより、MLBの投手として活躍できるようになった今では、「チームの雰囲気がすごくいいので、もう本当にリラックスして、集中して、練習に取り組めてると思います」と語るなど、かなり充実した日々を送っている様子の山本。去年よりもさらにMLBの野球に慣れた今季、山本がこうしたトレーニングで培った力を糧に、どこまでの活躍を見せることとなるのか、我々も注目したいところだ。

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