STREAMING2026.02.01

Apple TVの超人気作「プルリブス」、タイトルは違うものになっていた!? ヴィンス・ギリガンは悩んでいた

プルリブス

画像提供 Apple TV

世界中で社会現象を巻き起こしエミー賞を席巻したドラマ『ブレイキング・バッド』と、そのスピンオフ『ベター・コール・ソウル』の生みの親、大人気クリエーター・脚本家・監督ヴィンス・ギリガンが手掛ける最新ドラマ『プルリブス』。

地球外からのウイルスが人類を“幸福に満ち足りた”状態にし、人々がゾンビのような意識集合体になってしまう中、感染しなかったわずか12名の中の1人の女性、キャロルが人類を救うために奔走するというSFシリーズだ。主演は『ベター・コール・ソウル』のキム・ウェクスラー役で高く評価された女優レイ・シーホーンが務める注目ドラマだ。

感染しなかったため幸福ですらなく、なんなら三文ロマンス小説作家としてやりきれない思いでいた主人公が世界を救う羽目になる、というユーモラスかつ壮大なスケールの話で、すでにセカンドシーズンも決定している。

そんな視聴必至な超話題作だが、そもそも“プルリブス”とは何なのか?日本人だと特に聞き慣れない単語だが、ラテン語の“e pluribus unum”「多数から一つへ」というフレーズに由来している。「州が集合して国をかたどる」という、実はアメリカ合衆国のモットーを表す言葉なのだ。面白いワードチョイスだが、実は当のギリアンはギリギリまでこのタイトルを嫌がっていたらしい。視聴者が「現代アメリカの問題を描いた作品である」と短絡的に解釈してしまうことを懸念していたという。

アメリカ民主主義の危機だけでなく、全世界に蔓延する集合体意識のような世相を描きたかったとギリアンは説明する。「ドラマを制作している間中、毎週のように“いい加減マシなタイトル思い付かないといけないな”とか言いながら、ゆうに100個くらいタイトル候補をリストアップしていたんです。でもどれも決め手に欠けました。それで結局、構想を始めた2年前時点ですでに上がっていた“プルリブス”に戻ってきてしまったんです」とのこと。ずっと不本意だったが、いよいよ配信開始のデッドラインが迫ると諦めて渋々GOを出したのだとか。

だが、いざ公開されてしまったら、また少し気持ちが変わってきたらしい。「結局納得のいくタイトルを思いつけなかった。でも一度人々の目に触れて、いくらか時間が経ってみると、”まあ、そんな悩むほどのことでもなかったのかな”なんて気もしてきたのです。なんであんなに頑なに嫌だったのだろうって」と明かす。

実際この『プルリブス』という謎めいたタイトルは、視聴者を誘うには十分だし、おそらくアメリカ特有のテーマだと思い込むような人もアメリカ人だけだろうし、その中でも割合は低いはずだ。結果的にとてもいいタイトルなのではないだろうか。

WHAT TO READ NEXT