STREAMING丨2026.01.30
スマホ片手に視聴? クソ演出は必要ない… マット・デイモン&ベン・アフレックがNetflixに本音

Netflix『Rip/リップ』
久しぶりにマット・デイモン、ベン・アフレックがタッグを組んだNetflix配信の新作映画『Rip/リップ』。実話をもとにしたクライム・アクションで、アフレック、デイモン両者で制作/主演を務める肝入りの新作だ。
そのプロモーションも兼ねて2人で出演したポッドキャスト番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」の中で、デイモンが「Netflix側から製作サイドにあれこれと注文があった」ことを明かした。「“アクション映画は3部構成が基本。デカいアクションシーンを最初の方に1回、続いて真ん中あたりに2回目、最後の山場シーンに一番予算をかけるといいでしょう”とかいちいち聞かされるんですよ。そのうち“視聴者の興味を繋いでおくために最初の5分のうちに山場作れないかな?”とか“あらすじを説明するセリフを定期的に何度か盛り込んでほしい、視聴者はスマホ片手に観ているから”なんてことまで言ってくる」とのこと。

Netflix『Rip/リップ』
つまり視聴者は、基本片手間で観ているのだから、できるだけ分かりやすく明確な演出にしてほしい、と言うのだそうだ。そんな調子で随分と細かく口を挟まれたらしい。実際、自宅や移動中に鑑賞するユーザーは多く、劇場で鑑賞するよりも集中しにくい環境かもしれない。それでも、全員が全員片手間で観ているのだろうか? ソフトユーザーに迎合した作品ばかり続けたら、駄作ばかりになり映画文化は廃れてしまうのではないか?
そんな話題の中、それでも「希少な例外」として彼らが挙げたのが昨年Netflixで大きな話題となった『アドレセンス』である。アフレックは「あれはすごい。濃密でしかもダークだった」「登場人物たちの後頭部だけを写す長いショットもあるし、車に乗り込んで全くセリフのない場面もある」と、その妥協のない作品作りを絶賛。さらに、先の“アクション映画講釈”を引き合いに出し「そういうクソみたいな方法は一切とってなかったよ」と付け加えると、デイモンも「そもそもそんなクソは必要ないんだ、ってことの1つの証明だと思う」と同調した。
そもそも「分かりやすい」イコール「良い作品」とは限らない。分かりやすさや、飽きのこない構成などにばかり目配せした表現は、観る者の想像力を刺激しないのが常である。なんでもわざわざ説明されると冷めてしまうし、受け手の想像力や、集中力を信頼しない作品ばかりでは、映画の未来が疑わしくなる。これは芸術全般に通じる永遠のテーマだが、配信プラットフォームや音楽ストリーミング全盛の時代となってからはますます課題となっている感がある。とりわけ長編映画は、かなりの岐路に立たされているのかもしれない。









