REVIEWS2025.03.14

誰が演じてるか識別不能… 「ダークナイト」ジョーカーより“残酷” 暗黒街のボス「ペンギン」はどのように生まれたか?

DCドラマ『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』でコリン・ファレルが演じたペンギンは、その見た目と雰囲気の変貌ぶりが話題になった。特殊メイクとファットスーツに身を包んだコリン・ファレルは、もはや本人かどうかを識別できないくらいの激変ぶりだ。ファレルは、『ゴッドファーザー』のフレド・コルレオーネ(ジョン・カザール)をイメージして役を創り上げたのだという。

ファレル自身も最初はこの役を引き受けるか迷っていたらしい。しかし、監督のマット・リーヴスが描くペンギン像を聞き、脚本を読んだことで、そのキャラクターの奥深さを理解し、出演を決意した。

特殊メイクを担当したのはマイク・マリーノのチーム。彼らが作り上げた360度のバスト(頭部の模型)を見たとき、ファレルは「歴史や痛み、攻撃性、残酷さ、そして少しの悲しみがすべて詰まっている」と感じたという。そのデザインには、大きな傷跡や長く鋭い鼻など、鳥のペンギンを思わせる特徴が取り入れられていた。

撮影時、ファレルは毎日3時間以上かけてメイクを施された。髪を潰し、その上にスキンキャップを貼り付けて肌のようにペイント。さらに首、頬、耳たぶ、顎、鼻、上唇、眉毛を次々に取り付けていき、徐々にペンギンの姿へと変身していく。特に上唇の形を変えることで、怒っているような表情を作り出す工夫もされていた。

また、今回のペンギンは歩き方にも特徴がある。マリーノによると、「何らかの疾患を持っている設定にし、歩き方にペンギンらしさを加えた」とのこと。ファレル自身も「人前では足の不自由さを隠そうとするが、一人のときは目立つようにする」といった演技のアイデアを考えたそうだ。

ファレルは「マイク・マリーノがいなければ、このキャラクターは生まれなかった」と語るほど、特殊メイクの力を絶賛。彼の技術と想像力が、この印象的なペンギン像を作り上げたのは間違いない。

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