STREAMING2025.02.18

暴力と残虐に満ちた世界を容赦なく描く… リアルにこだわった血で血を洗う西部劇『アメリカ、夜明けの刻』

Netflixドラマ『アメリカ、夜明けの刻』の制作舞台裏が公開された。主演のテイラー・キッチュをはじめとするキャストや制作陣が語る過酷な撮影現場と、作品のリアルな世界観が話題になっている。

本作は1857年のアメリカ西部を舞台に、暴力と孤立に満ちた過酷な土地を旅する女性とその息子の物語。キッチュ演じるアイザック・リードは、シャイアン族に育てられた男で、彼らを案内することになる。彼は「これは今までで最も過酷な撮影だった」と振り返る。撮影はニューメキシコ州の標高10,000フィートの山岳地帯で13カ月にわたって行われ、雪の中での撮影もあったという。

物語の中心にいるのは女性たちだ。主人公のサラは息子を守るために戦い、母親としての愛が彼女の強さにも弱さにもなる。別のキャラクター、アビシュは「ストーン・ウーマン」と呼ばれるほどの強さを持ち、過酷な運命に立ち向かう。そしてトゥー・ムーンズは深いトラウマを抱えながらも生き抜くために奮闘する。制作陣は「この時代の暴力を描くなら、男性中心の話になると思われがちだが、実は女性たちが物語の中心にいる」と説明する。

作品のリアリティを追求するために、セットや衣装にも徹底的にこだわった。フォート・ブリジャーのセットは当時の大工技術を再現し、ティピー(先住民の住居)や馬車の車輪の質感まで本物に近づけた。また、アクションシーンもリアルさを追求し、スタントチームが全力を尽くした。キッチュも「この撮影は体力的にも精神的にも限界まで追い込まれた」と語る。

制作者たちは本作を「当時の暴力は今描いているものよりもさらに苛烈だった。本作ではそれを甘く描くつもりはない」と語る。美しさと狂気が交錯する悲劇的なこの作品は、西部劇の新たな傑作となった。

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