REVIEWS丨2024.12.18
ゲーム参加者が並んで歩く迷路式廊下、管理者の仮面、ギフトボックスのような棺… 『イカゲーム』シーズン1の謎
Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン2が、12月26日(木)より世界独占配信される。「イカゲーム」とは、膨大な借金や深刻なトラブルにより人生を諦めかけた者たちが、“人生一発逆転”できるほどの高額賞金を懸け、<誰もが知る子どもの遊び>になぞらえた「負けたら即死」のゲームに巻き込まれていく、世界的メガヒットのサバイバルスリラー。
![イカゲーム](https://thecage.tokyo/wp-content/uploads/2024/12/squidgame-s2-4.jpg)
Netflix『イカゲーム』
シーズン1は、2021年9月にNetflixで配信開始されると世界の90カ国で1位を記録する大ヒットとなった。シーズン1の脚本と監督を務めたファン・ドンヒョク、美術監督のチェ・ギョンソン、主人公ソン・ギフン役を演じるイ・ジョンジェ、幼馴染のチョ・サンウ役を演じるパク・ヘスが、劇中のシーン描写や、衣装、セットにまつわる舞台裏について語った。
・ギフトボックスの意味
美術監督のチェ・ギョンソンによると、ギフトボックスのような棺はゲームを作った人物の気持ちを表現している。まるで自分が神であるかのように、参加者たちへチャンスを与え、慈悲をかけるギフトを贈っているのだ。ピンクのリボンを掛けた黒のギフトボックスは、仮面をかぶった管理者たちの服とも配色が合っている。
・仮面をかぶった管理者たちの衣装デザイン
彼らが着用している黒とピンクの服について、ファン・ドンヒョク監督は当初ボーイスカウトのような制服も検討したが、正体不明にするためには全身を覆う衣装にする必要があったため、顔を隠せるフード付きのジャンプスーツになったと明かしている。
また、あえて恐怖を感じさせないような子どもらしい色使いを意識し、黒とピンクという配色を使用したという。スペイン発のNetflixドラマ「ペーパー・ハウス」の衣装に似ているという意見もあるようだが、結果的にそういう印象を与えるのかもしれないとドンヒョク監督は話している。また、チェ・ギョンソン美術監督は、多数の仮面デザインを提案したことを振り返る。そして、韓国の伝統的なお面「ハフェタル」とフェンシングのマスクからインスピレーションを受け、図形を加えた仮面デザインが完成した。また、彼らの仮面は、共同体の中で生きる蟻の顔のようにも見えるイメージになっている。
・壮大なセットデザイン
チェ・ギョンソン美術監督が手掛けたセットデザインは「どのセットも美術館のようだった」と振り返るパク・ヘス。参加者たちの<寝床>のセットでは、現代は競争社会や階級社会であることが表現されている。人間が物のように棚に並ぶ倉庫のようなコンセプトになっており、ピラミッドや闘技場のような段差のある場所にベッドが並ぶ。
また、壁にはピクトグラムが隠されているが、ゲームが進むにつれてそれらが見えてくる。<遊び場>は子どもの頃には遊具が大きく見えたイメージを再現し、巨大サイズの遊具が並ぶセットが設計された。また、何百人もの参加者たちが並んで歩く<迷路式廊下>は、だまし絵で知られる画家M.C.エッシャーから多大な影響を受けているとか。最も時間がかかっているのは、<路地>のセットだという。よく見ると、錆びた門戸、地面から生えた雑草、表札など、細部まで作り込まれている。
Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1:独占配信中、シーズン2:12月26日(木)世界独占配信