REVIEWS2025.03.14

暗殺スキルが高い船長、訳あり脱北者女スナイパー… 『イカゲーム』シーズン3にどう絡むのか? “謎のキャラクター5人”

イカゲーム

Netflix『イカゲーム』

Netflix『イカゲーム』シーズン2は、前作からの流れを受けたストーリーとなっていながらも、前作以上に様々な事象が複雑に絡み合い、また、主人公・ギフン以外の登場人物にも焦点を当てている感がある。そこで今回は、シーズン2から登場したキャラクターのうち、気になる“謎多き人物”をピックアップしてみたい。

・388番参加者/イ・デホ(カン・ハヌル)

主人公・ギフンらと行動を共にすることとなる元海兵隊員の若者。ギフンの親友である390番のパク・チョンべが年次的に上であることからリスペクトし、ギフンチームでは小回りの利く使い走りのようなポジションを得ているお調子者キャラ(かつ、シーズン2終盤の肝心なところでやらす隠れ厄介者)だが、主人公チームのメンバーとあって、序盤からやたらと目立っているにもかかわらず、そもそもなぜスカウトされ、このゲームに参加することとなったのか?という点が曖昧な人物なのだ。しかも、同じ元軍人枠で、多額の借金もあり、“本物の女性”になってタイへ移住するのが夢だという特殊部隊司令部出身のトランスジェンダー、チョ・ヒョンジュ(120番/演:パク・ソンフン)に比べて、今のところは戦闘能力・身体能力でも大幅に劣るというキャラであるデホ。シーズン3ではどのようにストーリーで絡んでくるのか?謎が多いだけにかなり要注目である。

・246番参加者/パク・ギョンソク(イ・ジヌク)

血液ガンを患う愛娘の手術代のために参加した遊園地似顔絵師。性格はどちらかというと生真面目で、子煩悩。この“善良なる貧乏人キャラ”ともいえるギョンソク、結論からいえば、シーズン1に登場するパキスタン人出稼ぎ労働者と同じ枠なのか?という印象はあるものの、なぜか序盤から運営側の冷酷スナイパー女(これがまた脱北者なのである)との接点が印象的に描かれたりと、地味ながらもなぜか特別扱いされている感のあるキャラである。しかもなぜかシーズン2の終盤まで絶妙に生き残り続けるという、運の良さ。そうした点から、シーズン3で彼の愛娘と冷酷スナイパー女との絡みが出る可能性が高い。

・011番スタッフ/カン・ノウル(パク・ギュヨン)

祖国に1歳の我が子を置いたままで脱北し、車中泊をしながら遊園地の気ぐるみバイトをしていた彼女は、ゲーム参加者ではなく、「△」印マスクの運営スタッフ。元・狙撃兵という強みを活かすためか、主にゲーム脱落者を射殺する役を担っているが、狙撃の腕こそ一流ではあるものの、組織人としては必ずしも上手く言っているとはいえず、不正を働く同僚スタッフといざこざを起こす場面も…そもそも、彼女にとって運営スタッフとしての仕事は、本来、我が子の捜索費用として脱北ブローカーに支払う大金を稼ぐための手段でしかないのだが、その割には不正スタッフたちが行っているサイドビジネスには噛もうとはしないし、それどころか、彼らの邪魔をして脅されるという始末。彼女がこうした生き様を送るのは一体何故なのか?

・149番参加者/チャン・クムジャ(カン・エシム)

会話から察するに、ポンコツ息子・ヨンシクの尻拭いばかりをさせられてきた様子の老女(しかもストーリー上有難いことに元助産師)。息子の借金返済のために参加したとのことだが、ゲームの性質上、高齢者は当然不利だ。実際、シーズン1では、ある程度、年齢が高い参加者たちの多くが瞬殺されてきているのだ。にもかかわらず、この老女は、なぜか主人公らとともに生き残るという謎無双ぶり。彼女よりも若く、身体能力に優れていると思しき参加者たちが次々と瞬殺されていくなかで生き残っているという時点で十分に特異だ。

・パク船長(オ・ダルス)

シーズン1で、イ・ビョンホン演じる“マスクの男”ことフロントマンに狙撃され、海に転落した刑事ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)を助けてやった(らしい)冴えない風体の船乗りのおっさん。その縁から、ゲームの舞台となっている島を探し出そうとしているジュノのために、何年も無償で船を出してやるなど、協力的な姿勢をとっているとされる。しかし、シーズン2では、いざ島の目星がつきはじめると、捜索隊が持ち込んだドローンに細工を施そうとしたり、それが発覚すると見るや、ドローン技術者をアッサリ殺害したりと、明らかに“まともでない”。しかもドローン屋を殺害した際には、相手の隙を突いてドライバーでブスっとやり、そのまま海に落とすという、ジョン・ウィック級の熟練された殺しの腕前を披露しているのだ。しかも、彼の船は表向き「漁船」の体をとっているもののホントのところは不明だ。船の名前は「パラダイス」という突飛なもの。挙げ句、なぜかあちらこちらをピンク色に塗るというキワモノの船体…シーズン2ではまだあまり詳しく触れられてはいないものの、その存在が今後大きく注目されそうな気配漂うキャラである。

今回紹介した“謎の5人”のほかにも、“伏線あり”という感じで印象的な登場の仕方をしているにもかかわらず、その後、スルー状態が続いているキャラや、ギフンがトイレで遭遇した男の子や、交通取締の際のやりとりで男に逃げられた女など、小ネタ的に登場するキャラクターも多いシーズン2。ちょろっと出ただけのキャラが次のシーズンで再登場するというのはシーズン1→シーズン2でも起きている現象であるだけに、シーズン2では、一体どのキャラクターがシーズン3でも登場するのかを自分なりに予想しながら見るという楽しみかたもできそうな気配だ。

『イカゲーム』シーズン1、2はNetflixにて独占配信中・シーズン3は6月27日(金)より配信開始

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