REVIEWS丨2025.07.11
視聴者ドン引きの『イカゲーム』シーズン3、物議を醸す“衝撃のラスト”… 別のエンディング案があった

Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン3
『イカゲーム』シーズン3(Netflixで独占配信中)が、視聴者の間で大きな話題を呼んでいる。シリーズ完結編として高い注目を集める中、監督ファン・ドンヒョクが明かした“もう一つのエンディング案”が、新たな波紋を広げている。
シーズン3では、主人公ソン・ギフンが再び命懸けのゲームに挑むが、その目的は支配階級であるVIPたちが仕掛けたこの残酷なデスゲームを、終わらせることだ。だが、ギフンの計画は思い通りには進まず、最終的に彼はあるプレイヤーの赤ん坊を救うために、自らの命を犠牲にすることになる。この衝撃的なラストに、多くのファンが心を痛めた。この結末は物議を醸し、Rotten Tomatoesの批評家スコアでもシリーズ内で最低の78%にとどまっている(シーズン2は83%、シーズン1は95%)。
そんな中、ファン・ドンヒョク監督はハリウッド・リポーターとのインタビューで、もともと構想していた別のエンディング案を語った。ファン監督によれば、初期段階では「ギフンがなんらかの方法でゲームを終わらせ、生き延びてアメリカにいる娘に会いに行く」というものだったという。アメリカで“リクルーターの女”を目撃する人物も、当初はギフンの予定だったそうだ。
しかし、制作が進むにつれ、監督の意図は大きく変わっていく。「物語の終わりに何を届けたいのか、ギフンの旅とその終着点がどうあるべきかを考え続けていた」と語るファン監督は、世界の現状に触れる中で、ギフンが死をもって強烈なメッセージを残す方が、よりふさわしいと感じるようになったという。「世界は悪化の一途をたどっているように見える。今の時代に必要なのは、未来世代により良い世界を残すための“犠牲”ではないか」と監督は続けた。
その象徴として、ギフンの自己犠牲という選択が生まれたのだ。ファン監督が語るギフンのラストは、単なる悲劇ではなく、希望をつなぐメッセージでもある。視聴者の心に残る“静かな衝撃”は、こうして意図的に描かれていたというわけだ。
Netflixでは現在『イカゲーム』シーズン3が配信中。ギフンが最後に選んだその“道”を、ぜひ自分の目で確かめてみてほしい。