SPORTS丨2025.04.08
「いつから投げてるんだ?」 佐々木朗希にバットがかすりもしない… 見たことがない“落ちる魔球”を投げていた

写真:アフロ
4月5日(日本時間4月6日)に行われたフィラデルフィア・フィリーズとの一戦に先発登板し、4回1失点の好投を見せた対ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希。佐々木がこの試合で投じた見たことない“落ちる魔球”が話題となっている。
MLBの公式サイト『MLB.com』の記者、デビッド・アドラー(David Adler)氏が、自身の公式Xアカウント上に投稿したもので、その投稿で同氏は、『MLB.com』で提供されているCGのプレー再現動画に添える形で、「Harper: 85.7 mph / 519 rpm Marsh: 85.4 mph / 551 rpm Schwarber: 87.1 mph / 504 rpm Castellanos: 85.7 mph / 544 rpm」と、4月5日(日本時間4月6日)のフィリーズ戦で、佐々木がスプリットで三振を奪った際の打者の名前と球速&回転数を紹介。昨季、MLBで投じられたスプリットの平均回転数が1302RPMであるのに対し、佐々木が極端に回転数の少ないスプリットを投げていることを示すことに。
このアドラー記者、かねてより佐々木の投球に高い関心のある記者として知られており、同記者は3月5日付で公開していた自分の記事を加筆・修正する形で、フィリーズ戦後に記事を再投稿。そこではこの“極端に少ない回転数”に注目する形で、佐々木の投じたボールを「ナックルボールのようなスプリット」と紹介しながら、スタットキャスト導入後の2015年以降のMLBで、佐々木が“最も回転数の少ないスプリットを投げる投手”となり得ると指摘。この記事が現地ファンの間で大きな注目を集めることとなった。
回転数の少ないスプリットを投げる投手(アドラー氏調べ)
(1)エマニュエル・ラミレス:550rpm/2024年
(2)ローガン・ギルバート:640 rpm/2024年
(3)タイラー・メギル:702 rpm/2024年
(4)マーク・ライター・ジュニア:769 rpm/2024年
(5)マイク・ペルフリー:784 rpm/2015年
(6)アロルディス・チャップマン:787 rpm/2021年
(7)ジョージ・カービー:799 rpm/2023年
実際、佐々木がスプリングトレーニング中に投げたスプリットは平均540RPM。さらにフィリーズ戦では504RPMという驚異的に少ない回転数のスプリットを投げていたことが確認できることから、アドラー氏が言うように、現時点において佐々木が投げるスプリットは、少なくともその回転数という意味で、既に“オンリーワン”状態。しかもその特異性ゆえに、なかなか真似できないものであるといえそうだ。
なお、こうしたアドラー氏の指摘と同様に、“ピッチングニンジャ”の愛称で親しまれているMLBアナリストのロブ・フリードマン氏も、この日、佐々木が投じたスプリットに注目するX投稿を行っているが、SNS上のファンからも「いつから投げてるんだ?」「まさかチャップマンやカービーを超えるとは」「あのスプリットはかすりもしなかった」といった様々な反響が巻き起こることに。
アドラー氏も指摘しているように、WBCで佐々木が投じていたスプリットは、平均時速にして91マイル、回転数も1100RPMと、現在よりも力強いタイプのもの。それがなぜこのような特異なスプリットへと変化したのかは定かではないが、こうした見たことない“落ちる魔球”が、佐々木にとって大きな武器になるであろうことは言うに及ばず。速球を見せ球に、スプリットで空振りを奪う投球スタイルが早く完成されれば、期待通りの才能がより発揮される事だろう。