SPORTS丨2025.09.13
何が起こった? ボロボロだったドジャース投手陣が突然覚醒した理由は… “ある人物”がネット上で話題に「嬉しい誤算」「惜しい人材だ」

Imagn/ロイター/アフロ
9月10日(日本時間9月11日)に行われたロサンゼルス・ドジャース対コロラド・ロッキーズの一戦で、ドジャースの先発ブレイク・スネルが6回2安打11奪三振で無失点の好投。それを受けて野球ファンの間では、ド軍投手事情の大幅改善が話題となっている。
この日はスネルが無失点ピッチング、前日には若手右腕エメ・シーハンが7回3安打9奪三振の1失点投球。さらにその前日は先発のタイラー・グラスノーが7回を被安打0、奪三振11の1失点と、このところのドジャース先発陣は、いずれも完璧ともいえる投球内容を見せている。その“異常”ともいえる好投ぶりは、一頃しばしば話題となったドジャースの苦しい投手事情からすれば信じ難い状況であり、今やドジャースはナ・リーグ屈指の投手王国といっても過言ではない様相を呈することとなっている。
■ド軍先発陣・直近6試合の好投
【9/11】ブレイク・スネル:6回 0失点11奪三振(対コロラド・ロッキーズ)
【9/10】エメ・シーハン:7回1失点 9奪三振(対コロラド・ロッキーズ)
【9/9】タイラー・グラスノー:7回1失点11奪三振(対コロラド・ロッキーズ)
【9/8 】クレイトン・カーショウ:5回2/3 2失点 8奪三振(対ボルティモア・オリオールズ)
【9/7】山本由伸:8回2/3 1失点10奪三振(対ボルティモア・オリオールズ)
【9/6】大谷翔平 :3回2/3 0失点 5奪三振(対ボルティモア・オリオールズ)
直近6試合に限っていえば、その対戦相手が必ずしも“強力打線”であるとは言い難く、それがたまたま重なったことでこうした“無双”に繋がっているという向きもあるとは思うが、それを差し引いても状態が良いことは間違いない。ましてや球界全体で見た場合、この時期には疲労などから調子を崩している投手も少なくないなかで、いきなり“無双”状態となったとくれば、他球団にとってはかなりの脅威。とりわけ、昨季と同様にドジャースと激しい1位争いを展開するサンディエゴ・パドレスからすれば気が気ではないだろう。
実はこの“ド軍投手陣による無双”の立役者であると目されているのが、シーズン途中でタンパベイ・レイズから新加入の捕手ベン・ロートベットなのだ。というのも、前述の6試合すべてでロートベットがスタメンマスクをかぶっており、ロートベットがスタメンマスクを被ると、理由は判然としないものの先発投手が好投し、なぜか“余裕勝ち”してしまうという怪現象が巻き起こっているのである。連覇を狙うドジャースにとって、これはなんともうれしい誤算であるといえるが、こうした“ロートベット効果”ともいうべき現象に、ネット上の野球ファンからは「嬉しい誤算」「惜しい人材だ」「ラッシング戻ってきたらどうする?」「スミスは打撃に専念してもらおう」「ロートベットを正捕手にしてスミスは三塁コンバートでいいと思う」「もっと打てればなあ」「キャッチャーだけでこうも変わるのか」といった様々な反響が巻き起こることに。
ドジャースといえば、“打てる正捕手”として知られる大型契約のウィル・スミスが不動の地位を固めている一方で、今季は“ド軍10年戦士”の経験豊富な控え捕手として知られていたオースティンバーンズを5月にDFAとし、代わりに“イキの良い若手”として注目を集めるダルトン・ラッシングを昇格。そのラッシングが早くも戦力として目処が立ちつつあるがゆえに、バーンズをお払い箱にしたことはそこまでバッシングを受けていないものの、ドジャースというチームをよく知るベテラン捕手をアッサリと手放してしまうあたりに、ドジャースの“捕手軽視”スタンスが。それゆえにスミスを“聖域化”し、それ以外の捕手の育成を二の次にしてきたツケが今頃になって出てきていたわけであるが、そうした中で獲得し、すぐさま結果を出しつつあるロートベット。そのデタラメ編成&デタラメ采配でしばしば現地ファンからも手厳しい批判を集めるドジャースにとっては、珍しく当たりの補強であったといえるのかもしれない。