STREAMING丨2025.02.09
男だけの世界に帝国を築いた女… パブロ・エスコバルが唯一恐れた“麻薬の女王”グリセルダ ソフィア・ベルガラの驚異的な変身
Netflixドラマ『グリセルダ』で、ソフィア・ベルガラが驚異的な変身を遂げた。彼女が演じるのは、伝説の麻薬王グリセルダ・ブランコ。70年代から80年代にかけて、マイアミを拠点に巨大な麻薬カルテルを築いた女性だ。彼女の人生は波乱万丈で、母でありながら犯罪組織を牛耳る姿が描かれる。
本作の制作チームは、グリセルダの人物像をリアルに再現することにこだわった。特にソフィア・ベルガラの変身は驚異的。彼女はコロンビア出身で、グリセルダも同じくコロンビア人。この共通点が、役作りにおいて重要な要素になったという。撮影現場では、ソフィアが完全にグリセルダに成りきるよう、メイクや衣装、姿勢にまで徹底的にこだわった。
最大の課題は、ソフィアのトレードマークともいえる美しい眉毛をグリセルダ風に変えること。1970年代のスタイルに合わせるため、彼女は特殊メイクを施し、プロテーゼ(人工パーツ)を装着。さらに歯の色まで変え、喫煙の影響を感じさせる細かいディテールも取り入れた。メイクにかかる時間は毎日数時間に及び、その結果、彼女がトレーラーから出る頃には完全にグリセルダへと変貌していた。
衣装デザインも見どころのひとつだ。70〜80年代のマイアミを舞台にしているため、時代特有の派手なスタイルが登場する。カラフルでありながらも、犯罪の影がちらつく独特の雰囲気を再現するため、衣装・美術チームは細部にまでこだわった。
グリセルダは、パブロ・エスコバルと並ぶ麻薬界のレジェンド。しかし、彼女は決して英雄ではなく、血塗られた道を歩んできた人物だ。ドラマでは、その過激な生き様とともに、母としての一面や苦悩も描かれる。視聴者が彼女に共感しつつも、その恐ろしさを忘れないよう、演出には細心の注意が払われた。
ソフィア・ベルガラの挑戦と、圧倒的な映像美で描かれる『グリセルダ』。単なるギャングドラマではなく、1人の女性が過酷な世界を生き抜く姿が、リアルに浮かび上がる作品となった。