SPORTS2025.05.02

「面白すぎ」「ガチ二刀流w」 ヘッドギア装着で“謎の怪投”! ド軍キケ・ヘルナンデスが本拠地初登板&無失点リリーフの大暴れ

キケ・ヘルナンデス

写真:ZUMA Press/アフロ

4月29日(日本時間4月30日)に行われたロサンゼルス・ドジャース対マイアミ・マーリンズの一戦で“ドジャースの人気者”キケ・ヘルナンデスが登板、話題となっている。

初回にマーリンズが1点を先制するも、その裏、大谷の“まさかの初球打ち”での先頭打者ホームランでドジャースが1点を追いつくと、ドジャースは散発2得点のマーリンズに対して“無慈悲”ともいえる怒濤の猛攻で得点を重ね、いつしか合計15点、15-2という大量リードとなったこの試合、スタンドに詰めかけたドジャースファンたちも、グラウンドの選手たちも、まさにお祭りムードに。そんなこの試合を締めくくることとなったのが、9回のマウンドに上がったキケ・ヘルナンデスだった。

キケは7回の守備からファーストに入っていたものの、3番手ルイス・ガルシアに代わり、9回表はマウンドへ。しかしその風貌はというと、“打球直撃に備える”という目的で装着したというヘッドギア姿。その時点でMLBの試合としてはかなり“特異”な光景であることは間違いないのだが、このキケ、困ったことになかなかのピッチングを披露してしまうのである。

この回先頭の5番コナー・ノービーに対し、初球、83km/hのスライダーが外に外れると、2球目からは59km/h~66km/hのスローカーブを3球続けて投じ、ノービーをサードゴロに。これで1死を奪うと、続く6番のオット・ロペス、7番ヘスス・サンチェスに連続内野安打を許し、1死一、二塁に。とはいえ、サンチェスに対しては、この日最速となる134km/hのスライダーを投じるなど、時折、“ガチ”の投球を見せることも忘れてはいなかった。

その後、キケは2死二、三塁のピンチを招くこととなったものの、最後は9番ハビエル・サノヤを2球でサードゴロに仕留め、試合終了。自身のカバーミスという、守備の名手らしからぬプレーから得点圏に走者を進められるも、終わってみれば外野に打球を運ばれることもなく、1回無失点と“好投”することに。試合後には、この日が“本拠地初登板”とあって、その喜びをSNS上で綴るなど、本人も大満足のマウンドとなった。
こうしたキケの無失点投球に、SNS上のファンからは「面白すぎ」「ガチ二刀流w」「スローカーブとスライダーをきっちり投げて打ち取るw」といった様々な反響が巻き起こることに。

もともとその陽気なキャラクターに加え、内外野すべてのポジションを守れる器用さ、さらには“意外性の一発”を放つ秘められた長打力など、スター軍団となっているドジャースの中でも、“唯一無二”の要素を持つ選手として知られるキケは、“投手”として見ると、昨季、ビジター4試合に登板し、4回1/3を投げ、被安打5、失点2、防御率4.15と、なぜか微妙な安定感を持っているのが特徴で、ショートイニングを投げるリリーフ投手の評価に適しているというWHIPという指標では1.15。無論、投球回数が少ないため、ある種の“ネタ”的な話となってしまうのだが、1.32が「平均」、1.25が「平均以上」とされることを思えば、なかなかの数値であるといえる。しかも、それに加え、野手登板の選手としては珍しく、2018年に1敗を喫しており、しかもそれが1/3回を投げて3失点の“炎上でついた黒星であることを思うと、それはそれでなかなか味わい深いものがあるといえるだろう。

さて、さほど細かな縛りもなく実行できた時代とは異なり、2023年からは野手登板が認められる場面が限定されるようになったことから期待は薄いものの、“ミラクル”が起きれば、まだ勝利投手になれる可能性もゼロではないキケ・ヘルナンデス。なにかにつけて“ミラクル”を起こしがちな選手でもあるだけに、また、何よりも本人が“本気で喜びそう”なだけに、彼が勝ち投手となる日が来ることに期待したい。

WHAT TO READ NEXT