REVIEWS2025.07.06

激しい怒りと血しぶき! ハードすぎる暴力描写、先が読めない復讐劇… 韓国ノワールアクションの傑作、Netflix『広場』を観るべき理由

広場

Netflixシリーズ『広場』

同名ウェブトゥーン漫画を原作としたノワールアクションシリーズ『広場』(Netflixにて独占配信中)。かつて裏社会に生きながら自らアキレス腱を切り、その世界から抜けた男・ナム・ギジュン(ソ・ジソブ)が、弟の不可解な死をきっかけに、11年ぶりに裏社会へと戻り、復讐のためにその背後を追うノワール・アクションだ。冷酷かつ重厚な暴力の世界を描き、多くの視聴者に支持された『広場』を観るべき3つの理由を紹介する。

・強烈なノワールの世界観を体現した豪華すぎる実力派キャスト

注目したいのは、豪華すぎるキャスティングだ。弟の死の真相を知り、復讐するために裏社会の組織に戻ったギジュンを演じるのは、『ある会社員』以来、13年ぶりに本格アクションを披露することで注目を集めるソ・ジソブ。久々のノワール作品に帰ってきた。その弟ギソクを演じるのはイ・ジュンヒョク。劇中ではすでに故人だが、物語の鍵を握る重要な存在だ。

また、裏社会の二大ボスのひとりで、キソクの後ろ盾でもあったイ・ジュウンにはホ・ジュノ。対立するボスの息子で野心家ク・ジュンモを演じるのはコンミョン。ジュウンの息子でありながら検事という立場に身を置き、表と裏を巧みに行き来するイ・グムソン役にチュ・ヨンウ。さらに、息子のためなら何でもする裏社会の重鎮ク・ボンサン(アン・ギルガン)、裏仕事専門のシム・ソンウォン(イ・ボムス)、ジュウンの片腕チェ・ソンチョル(チョ・ハンチョル)など、存在感のあるキャラクターが揃っている。そして何より異彩を放つのが、どの組織にも属さない謎の男チャ・ヨンド(チャ・スンウォン)。彼の存在が、物語にさらなる緊張感を与えている。

圧倒的な存在感を見せる俳優陣が集結し、陰謀と策略、裏切りが交錯する強烈なノワールの世界観を体現する。

・なぜ、弟は殺されたのか?先が読めない復讐劇

原作はNAVERの人気ウェブトゥーンで、ノワールジャンルとして高く評価された作品だ。ドラマ版では世界観や主要なプロットは原作に忠実でありつつも、キャラクターの内面をより深く掘り下げている。この作品はナム・ギジュンの復讐を軸にしているが、彼を取り巻くすべての登場人物にもそれぞれの過去や欲望、葛藤がある。単なる復讐ものではなく、人間ドラマとしての厚みを増しているのが本作の特徴だ。観る者がそれぞれのキャラに感情移入しながら、誰が敵で味方なのか、何が真実なのかを探っていく。

・ハードすぎる暴力描写!感情むき出しの肉弾戦アクション

Netflixは本作のメイキング映像も公開しており、地下の隠れ家や駐車場といったロケーションで繰り広げられるリアルなアクションが確認できる。中でも注目は、ソ・ジソブが演じるギジュンの「怒りと喪失」を表現した手加減なしの肉弾戦だ。激しい怒りに任せ、血しぶきの中で振り回す金属バット、ナイフ、素手の殴り合い… 生々しい暴力描写は、過剰な演出やワイヤーアクションに頼らず、「人間の感情」が軸となっている。アクションシーン自体がキャラクターの心理とつながっており、ただの戦闘では終わらない。ソ・ジソブの演技が放つ緊張感が、ドラマ全体に緊張感とリアリティを与えている。

『広場』は、重厚な人間ドラマと激しいアクションを両立させた、韓国ノワールの新たな代表作だ。復讐というテーマに、多層的なキャラクターと予測不能な展開が絡みあうことで、ラストシーンまで一気に引き込まれてしまうはずだ。

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